Oizumi氏らは、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん患者のQOLに対するゲフィチニブの効果を評価した。本報告は、The Oncologist誌オンライン版2012年5月11日号に掲載された。
NEJ002試験では、EGFR変異陽性の非小細胞肺がんにおいて、ゲフィチニブ一次治療は無増悪生存期間(PFS)の有意差を証明したものの全生存期間(OS)の有意差を示すにはいたっていない。このレポートでは、同試験におけるQOL分析を紹介している。
EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん患者は、ゲフィチニブ群と化学療法(カルボプラチン+パクリタキセル)群に無作為に振り分けられ、それぞれのQOLについてケアノートを用いて評価した。主要エンドポイントは、身体性、心理的、生活の各QOL尺度の無増悪期間である。
148例(ゲフィチニブ群 72例、カルボプラチン+パクリタキセル群76例)のQOLデータ分析の結果、身体性QOL尺度と生活QOL尺度は、化学療法群に比べゲフィチニブ群で有意に無増悪期間が長かった(HR:0.34、95%CI:0.23~0.50、p<0.001/HR:0.43、95%CI:0.28~0.65、p<0.001)。
この結果から、OSへの影響は明らかとはいえないものの、ゲフィチニブはEGFR変異陽性非小細胞肺がんの一次治療薬となるべきであると示唆している。
(ケアネット 細田 雅之)