せん妄対策に「光療法」が有効!

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2012/07/11

 



入院患者においてしばしば問題となる「せん妄」。せん妄は、ほぼすべての診療科で遭遇する可能性のある精神症状である。一般的にせん妄の治療には、抗精神病薬が用いられるが、Yang氏らは抗精神病薬リスペリドン(RIS)投与に加えて補助療法として「光療法」を行い、せん妄治療への影響を検討した。Gen Hosp Psychiatry誌オンライン版2012年6月18日付の報告。

意識障害で精神科のコンサルテーションを受けた36例の せん妄患者を、RIS単独群16例とRIS+光療法群20例にランダムに割り付け、1~5日目の せん妄評価尺度(DRS)、せん妄の重症度評価尺度(MDAS)にて評価した(検査当日:ベースライン)。また、睡眠パラメータは睡眠ログにて測定した。
 
主な結果は以下のとおり。
 
・DRSとMDASの平均スコアは両治療群ともベースラインと比較し有意な改善を示した。
・RIS+光療法群では、RIS群と比較し有意なDRSスコアの減少を示したが(F=2.87、p=0.025)、MDASスコアは両群間で同等であった。
・RIS+光療法群では、RIS群と比較し総睡眠時間(F=2.07、p=0.037)および睡眠効率(F=2.79、p=0.029)が有意に改善した。
・せん妄治療におけるRIS+光療法は有用な選択肢であることが示された。
 
(ケアネット 鷹野 敦夫)
 
関連医療ニュース 
 ・ヨガ で精神症状とQOLが改善
 ・日本人統合失調症患者の認知機能に影響を与える処方パターンとは
 ・パリペリドンはリスペリドンより安全性プロファイルが良好