慢性歯周炎の患者は乾癬の発症リスクが高い? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/07/18 乾癬と慢性歯周炎(chronic periodontitis:CP)は共通して免疫異常が疾患発症の根底にあるとされているが、今日までに、小規模な横断的パイロットスタディのみでしかその可能性は研究されていない。台北医科大学のKeller氏らは台湾におけるコホートデザインと人口データベースを利用し、CPの診断後における乾癬の発症リスクについて調査を実施した。British Journal of Dermatology誌オンライン版2012年7月号の報告より。研究コホートには115,365例のCP患者が含まれ、対照コホートには同数のCPに罹患していない患者が含まれた。個別の患者を5年間追跡し、乾癬の診断の有無を調べていった。CP診断後の5年間の乾癬発症リスクを割り出すために、Cox比例ハザード回帰分析を行った。 主な結果は以下の通り。 ・5年間における乾癬の発症率は、CP罹患患者では1,000人年あたり、1.88 (95% CI:1.77~1.99)、CP非罹患患者では1.22 (95% CI:1.14~1.32)であった。・フォローアップ期間中の被験者死亡による追跡の打ち切りや、被験者の月収や地域などで調整したうえで対照コホートと比較した結果、CP罹患者では、乾癬発症のハザード比は1.52 (95% CI:1.38~1.70)であった。・さらに、歯肉切除術やフラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)を受けた被験者は対照コホートと比較して、調整後の乾癬発症のハザード比がわずかに高かった (HR=1.26)。・今回の結果から、CPに罹患している患者においては、その後の乾癬の発症リスクが高くなることが示された。なお、CPの治療によって乾癬発症のリスクは減少するものの、完全に消えることはなかった。 (ケアネット 藤井 美佳) 関連コンテンツ【レポート】第111回皮膚科学会総会【投票受付中】皮膚科医師のための症例検討会「右鼠径部に掻痒、紅斑が認められる症例」 原著論文はこちら Keller JJ, et al. Br J Dermatol. 2012;10:1365-2133. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13)