ARBを含まない3剤併用療法で1ヵ月以内に30mmHgの降圧を達成:レニン阻害薬+Ca拮抗薬+利尿薬

提供元:ケアネット

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公開日:2012/08/16

 

 今や、ARB+Ca拮抗薬+利尿薬の3剤併用療法が降圧治療におけるゴールデンスタンダードとして繁用されている。この3剤以外の併用療法で、強力な降圧効果が期待できる組み合わせは存在するのか?2009年、わが国においてもレニン阻害薬アリスキレン(販売名=ラジレス)が登場し、10余年ぶりの新しい作用機序の降圧薬が治療のラインナップとして加わったが、Lacourcière氏らはアリスキレンを含めた3剤併用療法が2剤併用療法に比べ、有意に強力な降圧効果を発揮することをJournal of Hypertension誌に発表した。なお、この論文は出版前の7月22日に公開された。3剤併用療法では降圧治療開始から2週以内に、2剤併用療法より優れた治療経過を示した。

 Lacourcière氏らは中等度から重度の高血圧患者1,191名を対象に1〜4週の単盲検下でのプラセボ投与後、下記の降圧薬併用治療群に無作為に割り付け、4週経過後に強制的に投与量を倍増する治療を合計8週間行った。

1) アリスキレン(150mg/日→300mg/日)+アムロジピン(5mg/日→10mg/日)
2) アリスキレン(150mg/日→300mg/日)+ヒドロクロロチアジド(12.5mg/日→25mg/日)
3) アムロジピン(5mg/日→10mg/日)+ヒドロクロロチアジド(12.5mg/日→25mg/日)
4) アリスキレン(150mg/日→300mg/日)+アムロジピン(5mg/日→10mg/日)+ヒドロクロロチアジド(12.5mg/日→25mg/日)

主な結果は下記のとおり。

1. 3剤併用療法によって、ベースラインより4週目には-30.7/-15.9mmHg、8週目には
  -37.9/-20.6mHgの降圧が得られ、この降圧度はどの2剤併用療法より有意に優れていた。
2. 3剤併用療法によって、2週目にはすでに-27.8mmHgの降圧度を観測した。
3. 24時間自由行動下血圧(ABPM)によって測定した24時間血圧、昼間血圧、夜間血圧においても
  2剤併用療法より有意に優れた降圧度を示した。
4. 降圧目標(140/90mmHg未満)達成率は
  〔中等度および重症度例〕 62.3%
  〔重症度のみ〕 57.5%

(ケアネット 藤原 健次)