非喫煙者における肺がん(LCINS)は、病因や臨床的特徴、予後の違いから、喫煙者における肺がんとは異なる疾患として認識されている。今回、LCINSにおける特異的予測マーカーの同定を目的とした米国MDアンダーソンがんセンターのXia Pu氏らの研究から、炎症関連遺伝子の変異がLCINSの臨床的転帰に影響する可能性があることが示唆された。Clinical Cancer Research誌オンライン版2012年 9月13日号に掲載された。
著者らはまず、904の炎症関連遺伝子において11,930の一塩基多型(SNP)の遺伝子型を同定し、MDアンダーソンがんセンターにおけるLCINS患者411例の全生存期間との関連を分析した。次に、メイヨークリニックにおけるLCINS患者311例におけるトップ27のSNPの検証を行った。
主な結果は以下のとおり。
・3つのSNP(IL17RA:rs879576、BMP8A:rs698141、STY:rs290229)が確認され(p<0.05)、2つのSNP(CD74:rs1056400、CD38:rs10805347)がメイヨークリニックの患者群において有意性が境界域(p=0.08)であった。
・survival-treeで検証したところ、rs1056400_GG/rs698141_GA + AAの遺伝子型の患者の死亡リスクは、rs1056400_GG/rs698141_GGまたはrs1056400_GA + AAの遺伝子型の患者に比べ、MDアンダーソンがんセンター(HR:2.32、95%CI:1.58~3.41)とメイヨークリニック(HR:1.97、95%CI:1.11~3.50)の両集団において有意に高かった。
・MDアンダーソンがんセンターの996例の喫煙者におけるこれら5つのSNPの評価からは、有意な関連は認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)