成人うつ病の有効な治療選択肢のひとつである「光療法」。この光療法が青年期うつ病治療においても有用であり、短期間で効果が期待できることをドイツ Niederhofer氏らがInt J Psychiatry Clin Pract誌オンライン版2012年9月号で報告した。
14歳から17歳の軽度うつ病患者28例を対象とした無作為化クロスオーバー試験。14例は、まずプラセボ治療として50Lux、1時間/日を1週間実施し、その後2,500Luxの光療法を1週間実施した。別の14例はまず2,500Luxの光療法を実施し、その後プラセボ治療を実施した。試験開始1週間前、プラセボ治療1日前、プラセボ治療と光治療の切り替え時、光療法開始1日後、光療法開始1週間後にベック抑うつ評価尺度にて抑うつ症状を評価するとともに、8時と20時に唾液中のメラトニンとコルチゾールのサンプルを採取して概日タイミングの変化を観察した。
主な結果は以下のとおり。
・ベック抑うつ評価尺度のスコアは有意に改善した。
・唾液の分析結果において、光療法とプラセボ治療との間に有意な差が認められた。
・有意な副作用は観察されなかった。
・青年期うつ病患者に対する光療法の抗うつ効果は、プラセボ治療と比較し統計学的に優れていた。
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(ケアネット 鷹野 敦夫)