Gustilo IIIC外傷については、その定義のコンセンサスが求められており、また重度開放脛骨骨折のアウトカムに関する血行障害の影響について調査されている。英国 Frenchay HospitalのChummun S氏らは、約3,300人の形成および整形外科医から患者データを集め、血行障害とアウトカムとの関連について評価を行った。その結果、血行障害は肢機能に影響を与える独立した因子であることが示される一方で、医師の半数近くが血管損傷は無関係だと考えていることなどが明らかになった。著者は、「形成-整形外科医師間のコミュニケーション改善のために現行の分類法を修正すべきである。また、重度開放脛骨骨折の軟部組織再建の前には術前血管造影を活用することを提言する」と結論している。Plast Reconstr Surg誌オンライン版2012年10月16日号の掲載報告。
3,351人のさまざまな立場の形成および整形外科医に質問票を送付し、各自のGustilo IIIC外傷に対する解釈を調べた。一方で、Frenchay Hospitalの整形-形成外科治療センター(orthoplastic centre)で2006~2010年に行われた、軟部組織再建を伴う重度開放脛骨骨折治療の記録を検証した。
主な結果は以下のとおり。
・形成外科医476人、整形外科医2,875人とコンタクトをとり、753人(22.5%)から回答を得た。
・46.2%が、IIIC損傷は非血管性のものだと考えていた。続いて24.2%が、1または2枝の血管損傷だと考えていた。あらゆる血管損傷を意味すると考えていたのは6.9%であり、残りの22.7%は定義に関し未回答であった。
・検証された患者データは、68例(男性50例、女性18例、平均年齢42.7歳)であった。
・また、50例について標準血管造影が行われており、18例に血管損傷があった。
・ATAが42%、PTAが37%、27%が腓骨動脈に血管損傷があった。
・平均追跡期間11.2ヵ月の平均Ennekingスコアは、非血管損傷患者は29.8、血管損傷患者は24.4であった(p=0.004)。
(ケアネット)