近年、治療抵抗性高血圧に対する腎デナベーションが長期間にわたって血圧を低下させることが発表されてきているが、生活の質(QOL)に及ぼす影響については明らかではなかった。Lambert氏らは腎デナベーション施行3ヵ月後のQOLについて、SF-36およびベックうつ評価尺度を用いて検証した結果、精神的側面のQOLを改善したことをHypertension誌に発表した。
腎デナベーションによってQOLが改善
豪ベーカーIDI心臓・糖尿病研究所のLambert氏らは、腎デナベーション施行例に対し、SF-36およびベック評価尺度を用いて、QOLへの影響を評価した。
おもな結果は下記のとおり。
●3ヵ月後の診察室血圧値の変化(n=40):−16.4±4/−6±2mmHg (P<0.01)
●SF-36による精神的側面のQOLサマリースコアが改善した。ベースライン:47.6±1.1 → 3ヵ月後:52.0±1.0 (P=0.001)
●SF-36の項目のうち、以下の項目にて有意な改善が認められた。
活力、社会的生活機能、日常役割機能、心の健康
●ベックうつ病評価尺度による以下の感情を有意に改善した。
悲壮感(P=0.01)、疲労感(P<0.01)、性欲(P=0.001)
●QOLの改善と到達血圧に相関は認められなかった。
(ケアネット 藤原 健次)