【速報!AHA2012】同時複数箇所焼灼カテーテルを用いた腎動脈アブレーションの安全性:降圧効果は?:EnligHTN 1 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2012/11/07 画像を拡大する 近年、Symplicityカテーテルを用いた腎動脈アブレーションの、薬物治療抵抗性高血圧に対する著明な降圧作用が報告されている。今回、EnligHTNカテーテルを用いても、同様の有用性を期待できることが明らかになった。パイロットスタディ "EnligHTN I" の結果として、4日のClinical Science: Special RepoertsセッションにてVAメディカルセンター(米国)のVasilious Papademetriou氏が報告した。 EnligHTNカテーテルは血管内で拡張し、血管壁の異なる4カ所を同時にアブレーションできる。このため、Symplicityカテーテルならばプルバックしながら周回性に4回行うアブレーションを、一度で施行できる。また4つのアブレーション部位は位置関係が常に同じとなるので、アブレーションをより正確な位置で行いうるなどの利点があるという。 今回、Papademetriou氏らは、このEnligHTNカテーテルによる腎動脈アブレーションの安全性と降圧作用を、薬物治療抵抗性高血圧で検討した。「薬物治療抵抗性」の定義は、利尿薬併用にもかかわらず、「診療所収縮期高血圧(SBP)≧160mmHg」である。 46例が登録された。診療所血圧は、平均4.1剤の降圧薬服用にもかかわらず176/96mmHgだった。心拍数は71拍/分。また30%に睡眠時無呼吸を認めた。 まず安全性だが、腎動脈アブレーション後6か月間に大きな問題は認めなかった。すなわち周術期に事故はなく、アブレーションに由来する腎動脈狭窄も認めなかった。1例が入院を有する低血圧を来したものの、降圧薬の調節で解決した。腎機能も、糸球体濾過率(eGFR)半減、血清クレアチニン2倍化、末期腎不全移行は認めなかった。ただし有意ではないが、経時的にeGFRは低下、血清クレアチニンは増加していた。 降圧作用については、アブレーション前に176/96mmHgだった診療所血圧から、1か月後には28/10mmHgの有意な低下を認め、3か月後27/10mmHg、6か月後にも26/10mmHgと降圧作用は維持された。一方、24時間平均血圧の低下幅は、1か月後、3か月後とも10/5mmHg、6か月後10/6mmHgと、診療所血圧に比べ降圧幅が小さい傾向にあった。夜間血圧の降圧幅は示されなかった。 指定討論者のRobert Carey氏(バージニア大学:米国)はこの結果を、先行する一連のSimplicity試験とおおむね同じと評し、最終的には臨床転機を評価せねばならないと述べた。 取材協力:宇津貴史(医学レポーター) 「他の演題はこちら」 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 薬物療法を要する院外心停止者の血管アクセス、骨髄路vs.静脈路/NEJM(2024/11/15) 自殺リスク、曜日や祝日との関連は?/BMJ(2024/11/15) 日本の頭痛外来受診患者、頭痛の種類や特徴は?(2024/11/15) EPA製剤など、重大な副作用に「心房細動、心房粗動」追加/厚労省(2024/11/15) 改訂GLに追加のNSCLCへのニボルマブ+化学療法+ベバシズマブ、OS・PFS最終解析結果(TASUKI-52)/日本肺癌学会(2024/11/15) 乳がん患者の妊娠・出産のためのタモキシフェン中断についてステートメント公表/日本がん・生殖医療学会(2024/11/15) 超低出生体重児の動脈管開存症に対するカテーテル治療の短期予後は外科手術よりわずかに良好(2024/11/15) 自宅で行う脳刺激療法がうつ病の症状を軽減(2024/11/15)