ACL損傷患者、3年以内に再建術を受ける人は約4人に1人

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/01/29

 

 米国・ブリガム&ウィメンズ病院のJamie E. Collins氏らは、膝前十字靭帯(ACL)損傷後の再建術を受けた人の臨床的特性や手術の頻度などについて調べた。これまで、厳密な調査は行われていなかったという。調査の結果、ACL損傷患者の約4人に1人が診断後3年以内に再建術を受けていることなどが明らかになった。American Journal of Sports Medicine誌オンライン版2013年1月9日号の掲載報告。

 研究グループは、成人ACL損傷患者における再建術の3年累積発生率を調べ、再建術を受けている人、受けていない人について、人口統計学的および臨床的特性による比較を行った(コホート研究、エビデンスレベル3)。

 ヘルスケアシステムの登録データを利用して、2001年1月1日~2007年12月31日の間でACL損傷と診断された人を特定し、診断後3年以内に再建術を受けた人の追跡データを入手した。そのうえで、多変量ロジスティック回帰モデルにて、ACL再建術を受けた人の患者特性(性、年齢、人種、第一言語、社会経済的状態、健康保険加入状況など)との関連を調べた。

 主な結果は以下のとおり。

・2001~2007年の間にACL損傷と診断された人は2,304例、平均年齢は47歳であった。
・ACL診断後3年間の再建術の累積発生率は、22.6%(95%CI:20.9~24.3)であった。
・再建術を受けた人の86%は、診断後6ヵ月以内に手術を受けていた。1年以内に受けた人が94%に上った。
・多変量モデルにより、再建術を受ける人の特性(独立因子)が明らかになった。
 「男性」…調整オッズ比(aOR):1.4、95%CI:1.1~1.7
 「年齢がより若い」…10歳あたりのaOR:1.8、95%CI:1.7~2.0
 「白人」…aOR:1.4、95%CI:0.94~1.9
 「社会経済的状態がより高い」…低い状態の人に対する高い人のaOR:1.4、95%CI:1.04~1.8、低い状態の人に対する中間層のaOR:1.3、95%CI:1.02~1.8
 「民間保険加入者」…自費受診者に対するaOR:1.9、95%CI:1.04~3.5

(ケアネット)