近年、紅茶やコーヒーの摂取と前立腺がんリスク低下が関連付けられている。オランダ・マーストリヒト大学のMilan S. Geybels氏らは、米国ワシントン州キング郡におけるケースコントロール研究で、紅茶・コーヒーの摂取と前立腺がんリスクとの関連を検討した。その結果、紅茶の摂取と前立腺がんリスクの低下との関連性が認められ、コーヒーの摂取については関連が認められなかったことが報告された。Cancer Causes Control誌オンライン版2013年2月15日号の掲載報告。
ケースは2002~2005 年に前立腺がんと診断された患者で、5歳間隔でコントロールに対応させた。オッズ比と95%信頼区間(CI)の算出にはロジスティック回帰分析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・コントロール群では、19%が紅茶を、また58%がコーヒーを、少なくとも1日1杯摂取していた。
・ケース群892人とコントロール群863人が紅茶の分析に当てられ、紅茶摂取量が最も少ない群(週に1杯以下)に比べ、最も多い群(1日2杯以上)の調整オッズ比が0.63(95%CI:0.45~0.90、p for trend=0.02)で、紅茶の摂取が前立腺がんの全リスク低下に関連付けられた。
・グリーソングレードや疾患ステージによるリスク推定値の大幅な変化はなかった。
・コーヒーの摂取については、前立腺がんの全リスクやグレードやステージによるサブグループでのリスクとの関連が認められなかった。
(ケアネット 金沢 浩子)