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より確実な血糖値管理を目指すなら、インスリンの早期導入を!

提供元:ケアネット

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公開日:2013/03/08

 

 3月2日、サノフィは「インスリン全国講演会2013」と題し、医師向けのセミナーを開催した。このセミナーは、同社の代表製品であるインスリン グラルギン(商品名:ランタス)の発売10年を記念して開催されたもので、糖尿病診療に従事する医師が参集した。

 はじめにOpening Remarksとして渥美義仁氏(永寿総合病院)が、インスリンの発見と製薬の歴史を振り返るとともに、「持効型溶解インスリンの登場は、糖尿病治療に新しい選択肢をもたらした」とその役割を評価した。そして、今回のセミナーのテーマであるBOT(basal supported oral therapy)などにも触れ、今日の講演の意義を述べた。

 第1部では経口血糖降下薬との併用療法について講演が行われた。はじめに「BOTの有用性」をテーマに鈴木大輔氏(東海大学医学部)が、外来でのBOTについて講演し、経口血糖降下薬とインスリンの併用で確実な血糖降下ができる反面、体重増加への配慮やSU薬併用時の低血糖に注意が必要であると語った。

 次に「Basal Plus、B2Bの有用性」をテーマに大工原裕之氏(坂出市立病院)が、基礎インスリン補充の意義を自院のデータで示し、追加インスリンをいかに安全に増やしていくかを説明した。とくにBOTでも効果が弱い患者には、朝夕の追加インスリンの導入などが効果的と自験例を述べた。

 続いて「Basal Bolusの有用性」をテーマに横山宏樹氏(自由が丘横山内科クリニック)が、
初期診療後のインスリン導入とSU薬減薬への取り組みや自院の取り組みを講演した。とくに教科書的な処方だけではなく、「低血糖 しないさせない 絶対に」を合言葉に、食事と患者の運動量や生活環境も見据えてインスリン量を決定していること、クリニックスタッフが電話で患者フォローをする取り組みを行っていることを述べた。

 第2部では主に1型糖尿病について、「1型糖尿病治療 Basal Bolus療法におけるインスリン製剤の使い方-内科の立場から-」をテーマに柳澤克之氏(市立札幌病院)が、講演を行った。「札幌では雪かきによる低血糖が多いこと」がレポートされ、超速効型インスリンで低血糖発生を防止していることや患者満足度調査も良好なことが報告された。

 次に「1型糖尿病治療 BasalBolus療法におけるインスリン製剤の使い方-小児科の立場から-」をテーマに浦上達彦氏(駿河台日本大学病院)が、小児糖尿病のインスリン治療について講演した。小児の治療では、成人と異なる生活習慣のために幼児期、学童期、思春期に合わせたインスリン提供のスケジューリングや低血糖予防の指導が必要であると語った。

 最後にClosing Remarksとして河盛隆造氏(順天堂大学大学院スポートロジーセンター)が登壇し、「より効果的にインスリンが用いられるようになることが今後の課題であり、2型糖尿病の患者であれば、インスリン分泌ができなくなる前に早期に導入し、分泌の回復につとめることが大きな目標となる。その後インスリンからの離脱を期すのが次の目標である」と述べ、講演会は終了した。

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(ケアネット 稲川 進)