米国・トゥルーマン記念退役軍人病院のJohn D. Whited氏らは、テレダーマトロジー(遠隔皮膚診断)のQOLへの効果について無作為化試験を行った。皮膚の状態とQOLに関する論文は散見されるが、テレダーマトロジーがQOLに及ぼす効果に関する研究報告はこれまでほぼなかったという。JAMA Dermatology誌オンライン版2013年2月20日の掲載報告。
本研究では、テレダーマトロジーのQOLへの効果を評価することを目的とした。
米国内2ヵ所の退役軍人省下の施設(皮膚科クリニックとプライマリ・ケア提携施設)において、皮膚科受診を紹介され来院した患者を無作為に、テレダーマトロジー群と対面診断群に割り付けた。テレダーマトロジー群は画像診断と標準化された問診を受け、対面診断群には従来どおりの皮膚科診断プロセスを経て、9ヵ月間にわたって追跡した。
ベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコア(皮膚特異的なQOL評価ツール)の変化を主要エンドポイントとし、副次エンドポイントは、同スコアのベースラインから3ヵ月時点の変化とした。
主な結果は以下のとおり。
・無作為化された392例のうち、326例が割り付けられた診断を完了し、解析に組み込まれた。
・両群ともベースラインから9ヵ月時点のSkindex-16スコアの変化は、統計的に有意に改善したことを示した。両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.66)。
・ベースラインから3ヵ月時点のSkindex-16スコアについても、両群間に有意な差はみられなかった(統合スコアp=0.39)。
・対面診断と比較してテレダーマトロジーは、3ヵ月後、9ヵ月後の皮膚関連のQOLについて、統計的に有意な差をもたらさなかった。
(ケアネット)