慢性腰痛症の高齢者、体重が痛みや歩行時間と関連 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/03/29 腰痛を有する高齢者で肥満者は過体重者より、歩行および階段昇段時の疼痛が強く腰椎の強度が低いことが、米国・フロリダ大学のHeather K. Vincent氏らの比較記述的研究で示された。腰椎伸展強化を含むリハビリテーション戦略は機能的な可動性と歩行時間を改善し、そのどちらも慢性腰痛症を有する肥満高齢者の体重管理に役立つ可能性がある、とまとめている。American Journal of Physical Medicine & Rehabilitation誌オンライン版2013年3月8日号掲載の報告。 対象は慢性腰痛を有する過体重以上の高齢者(60〜85歳)55人で、BMIに基づき過体重群(25~29.9kg/m2)、肥満群(30~34.9kg/m2))、高度肥満群(35kg/m2)以上)に分け、機能検査(歩行耐久、椅子立ち上がり、階段昇段、7日間の行動監視および歩行パラメータ)を行うとともに動作時の痛みの程度を評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・歩行および階段昇段中の疼痛スコアは、高度肥満群が最も高く過体重群と比較して有意差を認めたが(p<0.05)、機能検査スコアにおいてはBMIによる有意差はみられなかった。 ・高度肥満群は、過体重群と比較して歩行時の支持基底面が36%多く(p<0.05)、片脚支持時間/両脚支持時間は3.1%~6.1%高値であった(p<0.05)。 ・女性は男性より椅子立ち上がりと階段昇段が緩徐で、歩行速度も遅かった。 ・毎日の歩数は、過体重群および肥満群と比較して高度肥満群が最も低かったが(1日当たり4,421歩 vs 3,511歩vs 2,971歩、p<0.05)、性別による差はみられなかった。 ・腰椎伸展、腹筋カールアップ、レッグプレスの強度は高度肥満群で最も低かった。また、3つのエクササイズすべてにおいて女性は男性より18%~34%低かった(p<0.05)。 ・腰椎伸展の強度は階段昇段、椅子立ち上がり、歩行耐久時間と関連していた。 ・BMIは、1日当たりの歩数ではなく歩行耐久時間の独立した予測因子であった。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる ・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート (ケアネット) 原著論文はこちら Vincent HK et al. Am J Phys Med Rehabil. 2013 Mar 8. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 脳出血既往AFに対する脳梗塞予防、DOACは有用か?/Lancet(2025/03/07) GLP-1受容体作動薬、自殺リスクと関連せず/BMJ(2025/03/07) 活動性ループス腎炎に対する新しいタイプの抗CD20抗体の治療効果(解説:浦信行氏)(2025/03/07) 抗PD-L1抗体薬、GLP-1薬などに重大な副作用追加/厚労省(2025/03/07) 新規作用機序の潰瘍性大腸炎治療薬オザニモド、その特徴は?/BMS(2025/03/07) 治療抵抗性強迫症に対するSSRI+ブレクスピプラゾールの有用性(2025/03/07) 硬膜外ステロイド注射は慢性腰痛に効果あり?(2025/03/07) 日本人の4人に1人がコロナ陰謀論を信じている!?(2025/03/07)