頸椎の軽度外傷による急性脊髄損傷のリスクはMRIで評価可能 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/04/12 頸椎の軽度外傷後に急性脊髄損傷(SCI)を呈する患者が報告されているが、外傷の重症度と脊髄損傷の重症度が一致しない理由として脊柱管狭窄症の関与が考えられる。スイス・対麻痺センターのNikolaus Aebli氏らは、これまで脊柱管狭窄症の評価にはX線像における脊柱管/椎体比が用いられてきたが、椎間板レベルでの軟組織狭窄症や管狭窄を評価できないため、MRI画像におけるパラメータのほうが有用である可能性があることから、これを実証するためのレトロスペクティブな放射線学的研究を行った。その結果、椎間板レベルの脊柱管前後径カットオフ値を8mmとすることで、頸椎の軽度外傷後に急性SCIのリスクを有する患者を特定できることを報告した。The Spine Journal誌オンライン版2013年3月25日掲載の報告。 本研究の目的は、頸椎のMRIパラメータが軽度外傷後の急性SCIのリスクと重症度の予測に使用できるかを検討することであった。 対象は、連続する急性SCI患者52例(SCI群)および神経障害のない頸椎の軽度外傷患者131例(対照群)とした。 頸椎(C3~C7)のMRI矢状断面像(T2強調画像)にて、椎体前後径、頸椎中間位の脊柱管前後径、椎間板レベルでの脊柱管前後径および脊髄前後径を計測し脊柱管/椎体比、脊髄余裕空間、脊柱管/脊髄比を算出した。また、単純X線側面像にて椎体前後径と頸椎中間位での脊柱管前後径を計測し脊柱管/椎体比を算出し、SCIのリスク、重症度および経過を予測する各パラメータの分類精度を、ROC曲線を用いて評価した。 主な結果は以下のとおり。 ・SCI群におけるすべてのMRIパラメータは、対照群と比較して有意に小さかった(p<0.001)。 ・椎間板レベルでの脊柱管前後径最小値が8.0mmをカットオフ値とした場合に、SCI予測に関する陽性予測値ならびに尤度比が最大となった。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」神経障害性疼痛の実態をさぐる ・「不適切なオピオイド処方例(肩腱板断裂手術後難治性疼痛)」ケースレポート (ケアネット) 原著論文はこちら Aebli N et al. Spine J. 2013 Mar 21. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 閉塞性肥大型心筋症、aficamtenが有効/NEJM(2025/09/16) ベルイシグアトは広範なHFrEF患者に有効~2つの第III相試験の統合解析/Lancet(2025/09/16) 透析患者におけるアルドステロン拮抗薬の位置付けを再考する―ALCHEMIST試験の結果から(解説:石上友章氏)(2025/09/16) アルツハイマー病予防に対するリチウム補充の可能性/Nature(2025/09/16) 再発・難治性多発性骨髄腫への新たな二重特異性抗体トアルクエタマブのベネフィット、隔週投与も可能/J&J(2025/09/16) 小細胞肺がん1次治療の維持療法、タルラタマブ上乗せで1年OS率82%(DeLLphi-303)/WCLC2025(2025/09/16) 抗アレルギー点鼻薬がコロナ感染リスクを低減(2025/09/16) 先進医療技術の普及により1型糖尿病患者の血糖管理が大きく改善(2025/09/16)