オランダ・エラスムス大学医療センターのC. Holterhues氏らは、1991~2010年のオランダのメラノーマ登録患者のデータを解析した結果、オランダ社会においてメラノーマが重大な疾患負荷となっていることを報告した。疾患負荷は、疾患による健康損失や死亡を表すが、これまで一般集団におけるメラノーマについて十分に研究されていなかったという。British Journal of Dermatology誌オンライン版2013年3月29日号の掲載報告。
研究グループは、1991~2010年の間のオランダがんレジストリ登録者のうちメラノーマ全患者の年齢・性特異的発生率データを入手し、オランダ統計局からメラノーマの特異的死亡率と平均余命のデータを入手した。世界保健機関(WHO)のDISMODソフトウエアを用いてメラノーマの発症期間を算出し、オランダ身体障害度、メラノーマの発生率と死亡率、寿命を用いて、障害生存年数(YLD)と損失生存年数(YLL)を算出した。またYLDとYLLを加味した障害調整生存年数(DALY)を算出した。
主な結果は以下のとおり。
・メラノーマの世界標準発生率は、男女とも20年間で2倍以上増大していた。男性は、1991年の住民10万人当たり7.1人から2010年は17.0人に、女性は同9.4人から19.8人へと増大していた。
・メラノーマの社会的負担も急速に増大していた。男性のYLDは4,795(1991~1994年)から1万2,441(2007~2010年)に、女性は同7,513から1万6,544に増大していた。
・2007~2010年のメラノーマによる総YLLは男性3万651、女性2万6,244であった。1991~1994年当時の同値はそれぞれ1万7,238、1万6,900であった。
・DALYは男性では96%増加し、2万2,033(1991~1994年)から4万3,092(2007~2010年)となっていた。女性では75%の増加で、同2万4,475から4万2,788となっていた。
(ケアネット)