性格特性の主要5因子と痛覚感受性の関連について 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/05 痛みに対する反応には個人差があり、その要因として年齢、性別、人種などの人口統計学的特性や性格を含む心理的要因に加え、痛覚感受性における遺伝的影響が考えられるが、まだ十分に解明されていない。ノルウェー・オスロ大学のOlav Vassend氏らは、双生児を対象とした研究で、熱痛覚強度より寒冷昇圧疼痛強度のほうが表現型的にも遺伝的にも性格素因との関連が示唆されることを明らかにした。Pain誌2013年5月号(オンライン版2013年1月29日号)の掲載報告。 本研究の目的は、性格特性と実験的な痛覚感受性との関係を調べ、これらの表現型がどの程度、一般的な遺伝的要因および環境要因と関連しているかを検討することであった。 23~35歳の双生児188例を対象に、熱痛覚強度(HPI)と寒冷昇圧試験による疼痛強度(CPI)を測定するとともにNEO-PI-R人格検査を用いて性格特性を評価した。 性格特性と痛覚感受性指標との関連は相関係数および一般化推定方程式を用いて検討し、バイオメトリック分析にはコレスキーモデルを用いた。 主な結果は以下のとおり。 ・CPIは、衝動性(神経症傾向の下位次元)ならびに刺激希求性(外向性の下位次元)と有意に関連していることが認められ、遺伝相関の推定値はそれぞれ0.37(p<0.05)と0.43(p<0.05)であった。 ・HPIは、性格特性との相関はあまりみられなかったが、一般化推定方程式では敵意(神経症傾向の下位次元)に対する影響が有意であることが示された。 ・表現型に遺伝的相関性は認められなかったが、個人特異的環境と有意な弱い相関(re= 0.21、p<0.05)が認められた。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 ・「痛みの質と具体性で治療が変わる?!」痛みと大脳メカニズムをさぐる (ケアネット) 原著論文はこちら Vassend O et al. Pain. 2013 May;154(5):722-8. Epub 2013 Jan 29. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 中高年の慢性不眠症、太極拳は有効か/BMJ(2025/12/23) SGLT2阻害薬の投与により自己免疫性リウマチ性疾患の発症が抑制される?(解説:住谷哲氏)(2025/12/23) 日本人統合失調症患者における抗精神病薬の治療パターンと機能アウトカムとの関係(2025/12/23) ER+/HER2-進行乳がんへのimlunestrant、OS中間解析時点の最新データ(EMBER-3)/SABCS2025(2025/12/23) IgA腎症は0.5~1.0g/日の低レベル蛋白尿でも腎予後不良~メタ解析/慈恵医大(2025/12/23) 「まずは金属除去」ではない? 金属アレルギー診療と管理の手引きを公開/日本アレルギー学会(2025/12/23) 猛暑は高齢糖尿病患者にとって致命的となり得る(2025/12/23) 米国でアルファガル症候群による初の死亡例を確認(2025/12/23)