コーヒー摂取と前立腺がん発症率の関連性の有無について、疫学的なエビデンスは一致していない。今回、東北大学の大崎コホート研究で、日本人男性におけるコーヒー摂取と前立腺がんリスクの関連を調査した結果が、British Journal of Cancer誌オンライン版2013年5月14日号に発表された。
本試験は、宮城県大崎市における前向きコホート研究で、ベースライン調査には40~79歳の男性1万8,853人が参加した。コーヒー摂取量は自記式アンケートで評価した。1995年1月1日~2005年12月31日の11年間にわたるフォローアップ期間に、318人が前立腺がんを発症した。ハザード比および95%信頼区間(CI)はCox比例ハザード回帰モデルで算出した。
主な結果は以下のとおり。
・コーヒー摂取と前立腺がん発症リスクの間に有意な逆相関が認められた。
・コーヒーを飲まなかった人と比べ、時々飲んだ人、1日1~2杯飲んだ人、1日3杯飲んだ人のハザード比(多変量調整後)は、それぞれ0.81(95%CI:0.61~1.07)、0.73(95%CI:0.53~1.00)、0.63(95%CI:0.39~1.00)であった(傾向のp=0.02)。
(ケアネット 金沢 浩子)