治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか? 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/06/18 今後、認知症患者数は平均寿命の延長に伴い、飛躍的に増加することが予想されている。いくつかの研究では、糖尿病や高血圧といった介入可能なリスクファクターを制御することで、認知症の発症率が減少することも示唆されている。しかし、これら血管系の要因を治療することは死亡リスクを減少させるが、そのような公衆衛生介入が認知症の有病率に及ぼす実際の影響に関しては不明なままである。フランス・ボルドー・セガレン大学のHelene Jacqmin-Gadda氏らは、フランスにおける将来の認知症有病率を予測し、また認知症の危険因子を標的とする公衆衛生介入が、認知症有病率に影響を及ぼすかを評価した。European journal of epidemiology誌オンライン版2013年6月12日号の報告。 本研究の目的は、(1)フランスにおける2010~2030年までの年齢別・性別認知症有病率を予測し、(2)この有病率予測を、認知症の危険因子に対する公衆衛生介入により変えることができるかを評価することである。認知症の発症率や死亡率は、PAQUID コホートからセミパラメトリックモデルを用い推定した。将来の全死亡率や人口の変化は、フランス人口動態予測から得られた。 主な結果は以下のとおり。 ・2030年までに平均寿命が男性で3.5年、女性で2.8年延長する仮定の下、認知症患者は2010年と比べ2030年には約75%増加すると推測された。また、90歳以上では200%の増加が予測された。 ・高血圧の有病率を低下させる治療介入は、認知症の発症率と死亡率の両方の減少に対し、適度な影響を与えることが示唆された。 ・一方、ApoE4キャリアに対する認知症予防は、生存率改善の可能性が低いため、公衆衛生介入により認知症有病率は15~20%減少すると考えられる。 関連医療ニュース アルツハイマー病、46.8%で不適切な薬剤が処方 認知機能トレーニング/リハビリテーションはどの程度有効なのか? アルツハイマー病の早期ステージに対し、抗Aβ治療は支持されるか? (ケアネット 鷹野 敦夫) 原著論文はこちら Jacqmin-Gadda H, et al. Eur J Epidemiol. 2013 Jun 12. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児がん、定期的な症状スクリーニングで苦痛な症状が改善/JAMA(2024/11/21) 米国民の幸福度、国内格差を人間開発指数で解析/Lancet(2024/11/21) エンパグリフロジン投与終了後もCKDの心・腎保護効果が持続、レガシー効果か?(解説:栗山哲氏)(2024/11/21) 心臓MRIによるLGEはLVEFより拡張型心筋症のリスクをより良く予測する(解説:佐田政隆氏)(2024/11/21) 肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売/ヤンセン(2024/11/21) TN乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、販売開始/ギリアド(2024/11/21) ROS1陽性NSCLCへの新たな選択肢レポトレクチニブ、その特徴は?/BMS(2024/11/21) 低リスク肺塞栓症がん患者のVTE再発、リバーロキサバン18ヵ月vs. 6ヵ月(ONCO PE)/AHA2024(2024/11/21) 大腸がん検診、現時点では血液検査よりも大腸内視鏡検査が優れる(2024/11/21) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?(2024/11/21)