治療介入により認知症発症率はどこまで減らせるか?

今後、認知症患者数は平均寿命の延長に伴い、飛躍的に増加することが予想されている。いくつかの研究では、糖尿病や高血圧といった介入可能なリスクファクターを制御することで、認知症の発症率が減少することも示唆されている。しかし、これら血管系の要因を治療することは死亡リスクを減少させるが、そのような公衆衛生介入が認知症の有病率に及ぼす実際の影響に関しては不明なままである。フランス・ボルドー・セガレン大学のHelene Jacqmin-Gadda氏らは、フランスにおける将来の認知症有病率を予測し、また認知症の危険因子を標的とする公衆衛生介入が、認知症有病率に影響を及ぼすかを評価した。European journal of epidemiology誌オンライン版2013年6月12日号の報告。
本研究の目的は、(1)フランスにおける2010~2030年までの年齢別・性別認知症有病率を予測し、(2)この有病率予測を、認知症の危険因子に対する公衆衛生介入により変えることができるかを評価することである。認知症の発症率や死亡率は、PAQUID コホートからセミパラメトリックモデルを用い推定した。将来の全死亡率や人口の変化は、フランス人口動態予測から得られた。
主な結果は以下のとおり。
・2030年までに平均寿命が男性で3.5年、女性で2.8年延長する仮定の下、認知症患者は2010年と比べ2030年には約75%増加すると推測された。また、90歳以上では200%の増加が予測された。
・高血圧の有病率を低下させる治療介入は、認知症の発症率と死亡率の両方の減少に対し、適度な影響を与えることが示唆された。
・一方、ApoE4キャリアに対する認知症予防は、生存率改善の可能性が低いため、公衆衛生介入により認知症有病率は15~20%減少すると考えられる。
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