統合失調症、双極性障害の家族特性を検証! 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/07/19 米国・ロザリンドフランクリン医科学大学S. Kristian Hill氏らは、統合失調症と双極性障害の神経心理学的機能障害の特徴について調べた。その結果、両疾患ともに強い認知障害が認められ、それは家族性であること、一親等の認知機能障害は、統合失調症よりも双極性障害においてより緊密にパーソナリティ障害と関連していることなどを報告した。American Journal of Psychiatry誌オンライン版2013年6月17日号の掲載報告。 家族性の神経心理学的機能障害は統合失調症では立証されているが、その他の精神障害においては明らかにされていない。研究グループは、Bipolar and Schizophrenia Network on Intermediate Phenotypes(B-SNIP)の登録者データから、次の4つについて検討した。(1)統合失調症と双極性障害における認知障害の比較、(2)精神病性障害の認知機能障害連続モデルの検証、(3)精神病性障害における認知障害の家族性についての報告、(4)非精神病の家族(クラスターA人格特性を有する人と有さない人)における認知障害の評価であった。 分析の対象は、統合失調症(293例)、双極性障害(227例)、統合失調感情障害(躁型:110例、うつ型:55例)、それら患者の一親等家族(各316例、259例、133例、64例)、および健常対照被験者(295例)であった。全員が統合失調症認知評価尺度(BACS)による神経心理学的評価を受けた。 主な結果は以下のとおり。 ・精神病の家系的発端者の認知障害は、健常対照と比較して、双極性障害(z=-0.77)、統合失調感情障害(躁型:z=-1.08、うつ型:z=-1.25)、統合失調症(z=-1.42)の順で強かった。 ・BACSサブテストのプロファイルは、疾患全体で同等性を示した。 ・障害の家族性は、統合失調症と双極性障害で有意であり、両疾患で匹敵していた。 ・とくに興味深かったのは、クラスターA人格特性を有する家系的発端者の親族では、発端者の疾患にかかわらず神経心理学的障害が同程度であることであった。 ・統合失調症かつクラスターA人格特性を有さない家系的発端者の非精神病家族において、有意な認知障害がみられた。一方、家系的発端者が双極性障害で、かつ人格特性を有さない場合、その家族で認知障害は示されなかった。 関連医療ニュース 統合失調症では前頭葉の血流低下による認知障害が起きている:東京大学 ベンゾジアゼピン系薬物による認知障害、α1GABAA受容体活性が関与の可能性 治療抵抗性の双極性障害、認知機能への影響は? (ケアネット) 原著論文はこちら Hill SK et al. Am J Psychiatry. 2013 Jun 17. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22)