脳卒中の死亡率と治療コストは病院規模により異なる

提供元:ケアネット

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公開日:2013/08/20

 

 病院規模と脳卒中患者の転帰の関係は明らかではなく、脳卒中のサブタイプごとの関係はほとんど知られていない。ハーバード大学の津川友介氏らは、病院規模(退院数)と脳卒中の院内死亡率や治療コストとの関連を、国立病院データベースの二次データ分析によって検討した。その結果をMedical care誌2013年9月号に報告した。

 対象は、2010年7月1日~2010年12月31日に、日本の796の救急病院で脳卒中の一次診断を受けた入院患者6万6,406人である。
 著者らは、病院を3群(6ヵ月あたりの退院数:10~50、51~100、>100)に分類し、患者と病院特性を調整する多変量回帰モデルを用いて、病院規模と転帰の関係を評価した。
 その結果、大規模の病院群は小規模の病院群よりも脳卒中の死亡率が低かった。また、大規模の病院群ではくも膜下出血の治療コストが高かったが、虚血性および出血性脳卒中では有意ではなかった。

 主な結果は以下のとおり。

・小規模の病院群(退院数10~50)に入院した患者では、大規模の病院群(退院数>100)で治療を受けた患者に比べて、院内死亡率が高かった(補正オッズ比:1.45、95%CI:1.23~1.71、p<0.0001)。
・退院あたりの調整治療コストは、小規模な病院群では大規模な病院群と比較して8.0%低かった(95%CI:-14.1%~-1.8%、p=0.01)。
・病院規模と死亡率との関連は、脳卒中のすべてのサブタイプで有意であった。
・大規模な病院群は、小規模の病院群に比べ、くも膜下出血の治療コストが高かったが、この関連性は虚血性および出血性脳卒中において有意ではなかった。

(ケアネット 金沢 浩子)