腰痛予後不良の予測因子は疼痛強度と思い込み 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/08/23 腰痛の長期予後に関する予測因子はほとんどわかっていない。英国・キール大学のPaul Campbell氏らは、プライマリ・ケアにおける腰痛患者を前向きに5年間追跡した結果、疼痛強度および腰痛が持続するかどうかについての患者の認識が、6ヵ月後および5年後の予後不良を予測する因子であることを明らかにした。結果を踏まえて著者は、「両因子が臨床的な介入目標となる可能性がある」と結論している。Journal of Pain誌2013年8月号(オンライン版2013年6月20日号)の掲載報告。 研究グループは、腰痛でプライマリ・ケアを受診した患者の、短期および長期予後の予測因子を調べるためアンケート調査を行い、ベースライン時、6ヵ月後および5年後に質問票を回収できた488例について解析した。 各追跡調査時における臨床的に重大な腰痛(実質的な痛みや障害を示すChronic Pain Gradeスケールの2、3、4)の相対リスクおよび95%信頼区間(CI)を、4つのドメイン(社会人口統計学的項目、身体的項目、心理的項目、職業に関する項目)に分類される32の予測因子について、Cox回帰分析により算出した。 主な結果は以下のとおり。 ・6ヵ月後における予後不良リスクは、ベースライン時の疼痛強度により12%上昇を示した(相対リスク[RR]:1.12、95%CI:1.03~1.20)。また、腰痛が持続するだろうという患者の認識により4%上昇した(同:1.04、1.01~1.07)。 ・5年後も類似の結果が示された。予後不良リスクは、疼痛強度により9%上昇し(RR:1.09、95%CI:0.997~1.20)、腰痛が持続するだろうという患者の認識により6%上昇した(同:1.06、1.03~1.09)。 ~進化するnon cancer pain治療を考える~ 「慢性疼痛診療プラクティス」連載中! ・無視できない慢性腰痛の心理社会的要因…「BS-POP」とは? ・「天気痛」とは?低気圧が来ると痛くなる…それ、患者さんの思い込みではないかも!? ・腰椎圧迫骨折3ヵ月経過後も持続痛が拡大…オピオイド使用は本当に適切だったのか? 治療経過を解説 (ケアネット) 原著論文はこちら Campbell P et al. J Pain. 2013 Aug;14(8):873-83. Epub 2013 Jun 20. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 前糖尿病の肥満へのチルゼパチド、糖尿病発症リスク93%減/NEJM(2024/11/22) 生後2年間のデジタル介入で肥満リスク低下/JAMA(2024/11/22) BRCA1/2病的バリアント保持者における乳がん後の二次原発がんリスク/JCO(2024/11/22) 家庭内のインフル予防、手指衛生やマスクは効果ある?~メタ解析(2024/11/22) 統合失調症患者に対する抗精神病薬の投与経路変更の影響は〜メタ解析(2024/11/22) 「週末戦士」でも脳の健康に利点あり(2024/11/22) 減量薬のアクセス拡大が年4万人以上の米国人の命を救う可能性(2024/11/22) 抗てんかん薬の早期処方が認知症リスクの低さと関連(2024/11/22)