身体活動は胃がんリスクの減少に関連している可能性がある。米国メイヨークリニックのSiddharth Singh氏らは、その関連の程度とエビデンスの質を評価するために系統的レビューとメタアナリシスを実施した。その結果、公表されている観察研究のメタアナリシスにおいて、身体活動と胃がんリスク減少の関連が示された。著者らは、身体活動増加にフォーカスしたライフスタイルへの介入は、多くの健康上のメリットに加え、世界における胃がんの疾病負担を減少させるかもしれないとしている。Cancer Prevention Research誌2013年9月18日号オンライン版に掲載。
著者らは、レクリエーションや職業的身体活動と胃がんリスクとの関連を検討した観察研究について、2013年2月に文献データベースや会議録を包括的に検索し、16研究(コホート7報、ケースコントロール9報)を同定した。これらの研究では、160万6,760人のうち胃がんが1万1,111例報告されている。要約調整オッズ比(OR)と95%信頼区間(CI)はランダム効果モデルを用いて推定した。
主な結果は以下のとおり。
・メタアナリシスの結果、最も身体活動が少ない人々と比べて、最も身体活動が多い人々では胃がんリスクが21%低かった(OR:0.79、95%CI:0.71~0.87、不均一性は中等度I2=55%)。
・この効果は、噴門(4研究、OR:0.80、95%CI:0.63~1.00)と遠位(5研究、OR:0.63、95%CI:0.52~0.76)の胃がんに認められた。
・この効果の大きさ(effect size)は、質の低い研究(10研究、OR:0.74、95%CI:0.69~0.81)に比べて、質の高い研究(6研究、OR:0.86、95%CI:0.75~0.99)で有意に小さかった。
・この結果は、性別、研究の質、研究デザイン、地域を問わず同様であった。
(ケアネット 金沢 浩子)