DES留置後の再内皮化と内皮機能の関係~OCTとAch負荷試験からの検討~

提供元:ケアネット

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公開日:2013/10/09

 

 ZES(ゾタロリムス溶出ステント)は、PES(パクリタキセル溶出ステント)よりも内皮機能が保持されること、および新生内膜によるstent strut被包と内皮機能保持には関係があることが、名古屋ハートセンターの村瀬 傑氏らによって示唆された。Catheterization and Cardiovascular Interventions誌オンライン版7月30日号掲載の報告。

 これまで、DES(薬剤溶出ステント)留置後の再内皮化と内皮機能については、報告されていた。しかし、DES留置後の再内皮化と内皮機能との関係については、調べられていなかった。本研究では、DES留置(PES 7病変、ZES 7病変)9ヵ月後に、OCT(optical coherence tomography)による再内皮化の評価およびアセチルコリン負荷試験による内皮機能測定が行われた。

 主な結果は、次のとおり。

・ZES群、PES群の患者背景に有意な差は認められなかった。
・ZES群はPES群に比較し、stent strutsが新生内膜により高度に被包されていた(ZES:0.27±0.14mm vs PES:0.17±0.18mm、p<0.01)。また、不完全密着率も低かった(ZES:0% vs PES:2.7%、p<0.01)。
・ZES群はPES群に比較し、アセチルコリン誘発血管収縮が低かった(ZES:28.6% vs PES:57.1%、p<0.01)。
・スパズム発生群とスパズム非発生群で比較すると、発生群は、被包率が低かった(スパズム発生:0.21±0.19mm vs スパズム非発生:0.25±0.14mm、p<0.01)。

(ケアネット 鈴木 渉)