お知らせがあります

2024/07/10
7月10日より「Web講演会」「CARENQ」の送信元メールアドレスを変更いたしました。
■変更前:seminar@carenet.co.jp、enquete@carenet.co.jp
■変更後:seminar@www.carenet.com、enquete@www.carenet.com
メールアドレスまたはドメインによる受信拒否や振り分けなどを設定されている方は、設定の変更をお願いいたします。

わが国の高齢胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術、医療経済的な効果は?

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2013/10/21

 

 高齢の胃がん患者に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の医療経済的な効果についての情報は、現在ほとんどない。産業医科大学の村田 篤彦氏らは、全国の管理データベースを用いて、高齢患者におけるESDの医療経済的な効果を調査した。その結果、胃がんでESDを受けた高齢患者では、非高齢患者と比べて、ESD関連合併症の発症率に差は認められなかったが、在院日数と入院中の医療費の有意な増加が示された。Journal of Digestive Diseases誌オンライン版2013年10月16日版に掲載。

 著者らは、2009~2011年に国内の867病院において、ESDを受けた胃がん患者2万7,385例のデータを管理データベースから収集した。年齢に応じて高齢患者(80歳以上、n=5,525)と非高齢患者(80歳未満、n=21,860)の2群に分類し、ESD関連の合併症、在院日数(リスクで調整)、入院中の医療費を比較した。

 主な結果は以下のとおり。

・高齢患者と非高齢患者でESD関連合併症の発症率に有意差は認められなかった(4.3%vs 3.9%、p=0.152)が、平均在院期間および入院中の平均医療費に有意な差がみられた(p<0.001)。
・高齢患者では、在院日数が有意に長く、入院中の医療費が有意に高いことが重回帰分析により示された。
・高齢患者における在院日数の非標準化係数は、2.71日(95%CI:2.59~2.84、p<0.001)、入院中の医療費は952.1 USドル(95%CI:847.7~1056.5、p<0.001)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)