小児自閉症に対する薬物療法はQOLにどのような影響を与えるか

米国・ワイルコーネル大学医学部のWendy N. Moyal氏らは、自閉症スペクトラム障害(ASD)を有する小児・若年者のQOLに及ぼす薬物療法の影響についてレビューを行った。その結果、アリピプラゾールとオキシトシン(本疾患には未承認)は、QOLにプラスとなる効果をもたらすことが明らかであること、その他の抗精神病薬については、リスクとベネフィットについての有用な情報はあるがQOLに関する特定データはなかったことを報告した。Pediatric Drugs誌オンライン版2013年10月24日号の掲載報告。
ASDを有する小児は88人に1人の割合でいると推定されている。同障害は、社会的なコミュニケーションや意思疎通の障害、興味対象が限定的であること、反復行動がみられることで診断される。ASDの小児の大半では適応スキル障害がみられ、多くが知的障害を有し、そのほか精神障害や精神症状が共通してみられる。このような複合的な障害によって、患者および家族はQOLに相当な影響を受けていると考えられる。精神医学的な問題による機能障害への対処のために、医師や家族によって薬物治療が考慮されており、実際、小児・若年者のASDの3分の1が1剤以上の抗精神病薬を服用している。また、その多くは補完・代替医療も利用している。そのような背景を踏まえて研究グループは、ASDの小児について抗精神病薬治療のQOLに関するベネフィットとリスクについて、どのようなことが明らかになっているかをレビューした。
主な結果は以下のとおり。
・自閉症患者における、QOLの評価を含む抗精神病薬治療の研究はまれであった。小児を対象としたアリピプラゾールの興奮症状に関する研究と、成人対象のオキシトシン研究1例であった。
・アリピプラゾール研究では、オキシトシン研究と同様に、治療を受けた患者においてQOLにプラスとなる効果をもたらすことが示されていた。
・その他の抗精神病薬は、小児のASD治療に用いられており、リスクとベネフィットに関する情報は得られたが、QOLへの影響に関する特異的なデータはなかった。
・著者は、「アリピプラゾールとオキシトシン研究は、研究者にとってQOL評価の手法を組み込む際の例証となり、また臨床医に有用な情報を提供するものである」と述べ、「そのうえで、ASDの小児について、薬物療法およびQOLにおけるさらなる研究を行うことを推奨する」とまとめている。
関連医療ニュース
自閉症スペクトラム障害への薬物治療、国による違いが明らかに
自閉症スペクトラム障害に対するSSRIの治療レビュー
統合失調症患者の社会的認知機能改善に期待「オキシトシン」
(ケアネット)
[ 最新ニュース ]

5価髄膜炎菌ワクチン、単回接種で良好な免疫応答/Lancet(2025/04/03)

ARDSの鎮静、セボフルラン対プロポフォール/JAMA(2025/04/03)

日本人へのbempedoic acid、LDL-C20%超の低下を認める(CLEAR-J)/日本循環器学会(2025/04/03)

造血幹細胞移植後のLTFUを支える試み/日本造血・免疫細胞療法学会(2025/04/03)

PTSDに対するブレクスピプラゾール治療、単剤療法と併用療法の有効性(2025/04/03)

非専門医とはすでに同等!?医師vs.生成AIの診断能力を比較(2025/04/03)

母乳育児は子どもの血圧低下に関連(2025/04/03)