中等症から重症の気管支喘息の管理において、ビタミンDは標準治療の補助剤となることがインドのラオトゥーララム記念病院のMadhu Yadav氏らにより報告された。The Indian Journal of Pediatrics誌オンライン版2013年11月6日の掲載報告。
本研究の目的は、中等症から重症の気管支喘息を有する小児に対し、ビタミンDが標準治療の補助剤としてどのような治療的な役割を果たすのかを定義することである。
対象は、呼吸器または喘息のクリニックを受診した小児喘息の男女100例。喘息の診断は既往歴と臨床検査に基づき行い、割り付けは封筒法により無作為に行った。Global Initiative for Asthma(GINA)に基づいた治療に加え、一方のグループでは経口のビタミンD3製剤(コレカルシフェロール)60,000IU/月を6ヵ月間投与し、他方のグループでは、プラセボの粉末をオブラートに包み投与した(二重盲検)。
毎月の受診時に、重症度の変化、管理状況、最大呼気速度、ステロイドの投与量、増悪の回数、救急搬送の回数を調べた。
主な結果は以下のとおり。
プラセボ投与群に比べて、ビタミンD投与群では
・増悪の回数が有意に低かった(p=0.011)。
・最大呼気速度が有意に増加した(p=0.000)。
・ステロイドの使用と救急搬送が有意に低かった(それぞれ、p=0.013、p=0.015)。
・より早期に症状が安定し、6ヵ月後の喘息重症度が有意に低下していた(p=0.016)。
(ケアネット 鎌滝真次)