「選択的迅速解離性ドパミンD2受容体拮抗薬」薬物動態の研究 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2013/11/13 新規の抗精神薬として開発された選択的迅速解離性ドパミンD2受容体拮抗薬であるJNJ-37822681。ベルギー・ヤンセン・ファーマスーティカ社のEef Hoeben氏らは、健常者および統合失調症患者におけるJNJ-37822681の薬物動態を明らかにするために、母集団薬物動態モデルを開発し、最適用量を特定することを目的とした。その結果、5または7.5mgの1日2回投与は影響なし、あるいは最小限の影響にとどまる用量であること、10mgの1日2回投与は有効性と忍容性の最適なバランスを提供しうる用量であると思われたことを報告した。Clinical Pharmacokinetics誌2013年11月号の掲載報告。 3件の第I相試験と2件の第II相試験に登録された被験者378例よりデータを収集した。非線形混合効果モデルNONMEMを用い、母集団薬物動態パラメータおよびこれらパラメータに及ぼす共変量の影響を推定した。第IIb相試験における各被験者の定常状態での分布をシミュレーションした。第IIb相以降の試験における用量設定の助けとして、過去に実施された[(11)C]raclopride positron emission tomography(PET)試験で確立されたシグモイドmaximumエフェクトモデルから得られた薬力学パラメータと模擬曝露を合わせてD2受容体占拠状況をシミュレーションした。 主な結果は以下のとおり。 ・2-コンパートメントモデルにより、ベストフィットなデータが得られた。 ・有意な共変量は、性別、見かけのクリアランスに対するバイオアベイラビリティ、吸収速度定数に対する食事の影響であった。 ・女性は男性と比べ、クリアランスが11%高かった。 ・第IIb相試験で推定された薬物動態パラメータは、第IIa相試験で観察されたものと同様であった。 ・10mg、1日2回投与時のD2受容体占拠率は65~80%の範囲と推定された。また、20および30mg、1日2回投与時の占拠率は部分的または完全に80%に達した。 ・母集団薬物動態モデルによりJNJ-37822681の薬物動態が明らかとなり、第IIb相試験において信頼のおける用量を特定できた。 ・JNJ-37822681の5または7.5mgの1日2回投与は影響なし、あるいは最小限の影響にとどまる用量と思われた。10mg、1日2回投与は、有効性と忍容性の最適なバランスを提供しうるようであった。 関連医療ニュース ドパミンD2受容体占有率が服薬に影響?:慶應義塾大学 統合失調症のドパミンD2/3レセプター占有率治療域、高齢患者は若年患者よりも低値 維持期統合失調症でどの程度のD2ブロックが必要か (ケアネット) 原著論文はこちら Hoeben E et al. Clin Pharmacokinet. 2013 Nov;52(11):1005-15. 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] GLP-1/アミリン受容体作動薬amycretin、良好な安全性と忍容性、減量効果も/Lancet(2025/07/09) 呼吸機能のピークは何歳?(2025/07/09) PPI・NSAIDs・スタチン、顕微鏡的大腸炎を誘発するか?(2025/07/09) 日本の実臨床におけるフレマネズマブの2年間にわたる有効性と忍容性(2025/07/09) HPVの自己採取検査の郵送は検診受診率を高める(2025/07/09) 健康的な食事は体重が減らなくても心臓を守る(2025/07/09) 自転車に乗ることは認知症リスク低下と関連(2025/07/09) がんサバイバーの脳卒中・心血管死リスク、大規模コホート研究で明らかに(2025/07/09)