BMIと大腸がんには中等度の関連があるといわれているが、体重変化と大腸がんの関連についてはあまり知られていなかった。今回、オランダ・ユトレヒト大学のCharlotte N Steins Bisschop氏らの研究で、体重変化は男女ともに結腸・直腸がんリスクと関連を認めないことが明らかになった。The American journal of clinical nutrition誌オンライン版2013年11月13日号の報告。
本研究では、BMIおよび体重変化と結腸・直腸がんリスクとの関連について検討した。
対象はEPIC-PANACEA studyに登録された 32万8,781人(平均年齢50歳)。体重は試験登録時と平均5年後の時点で測定した。自己申告の体重変化(kg/年)データを性別ごとの五分位に分類し、第2、3五分位(男性 -0.6~0.3kg/年、女性 -0.4~0.4kg/年)を複合対照群とした。その後、6.8年(中央値)の間、結腸・直腸がんの発症を観察した。関連性の検討には、多変量Cox比例ハザード回帰分析を用いた。
主な結果は以下のとおり。
・結腸がんを発症したのは1,261人、直腸がんを発症したのは747人であった。
<結腸がんリスクとの関連>
・試験登録時のBMIと男性の結腸がんリスクは、有意な関連が認められた(HR:1.04、95%CI:1.02~1.07)。
・男性の中等度の体重増加(第4五分位)は結腸がんリスクをさらに増加させたが、有意な関連は認めなかった(HR:1.32、95%CI:1.04~1.68)。
・女性のBMIは、結腸がんリスクと有意な関連を認めなかった。
・女性の体重増加は、結腸がんリスクと有意な関連を認めなかった。
・体重減少は、男女ともに結腸がんリスクと有意な関連を認めなかった。
<直腸がんリスクとの関連>
・BMIは、男女ともに直腸がんリスクと有意な関連を認めなかった。
・体重変化は、男女ともに直腸がんリスクと有意な関連を認めなかった。
(ケアネット 武田 真貴子)