切除不能大腸がんの一次治療における化学療法のレジメンとして、それぞれの患者さんにFOLFOXとFOLFIRIのどちらが適切なのかを化学療法開始前に知ることはできないだろうか。韓国・亜洲大学医学部のDo Yoon Kim氏らは、切除不能大腸がん患者において、従来の治療群と、治療前遺伝子解析による計画治療群とで奏効率を比較した。その結果、治療前遺伝子解析による計画治療群、とくにFOLFOX治療患者において、奏効率の改善が認められた。Journal of Surgical Oncology誌オンライン版2013年12月7日号に掲載。
登録された患者は、従来の治療か、治療前遺伝子解析に基づいて計画された治療のいずれかに無作為に分けられた。計画治療群(n=53)では、レジメン選択前に患者の血液サンプルを用いて遺伝子多型について解析した。標的遺伝子は、オキサリプラチンについてはXPD-751、GSTP-1-105、XRCC1-399、イリノテカンについてはUGT1A1であり、奏効率は化学療法3サイクル終了後にCTスキャンで測定した。
主な結果は以下のとおり。
・全奏効率は、計画治療群で有意に高かった(67.9% vs 46.3%、p=0.020)。
・FOLFOX治療患者では、計画治療群で奏効率が有意に高かった(77.1% vs 50%、p=0.018)。
・FOLFIRI治療患者では、2群間の差は統計学的に有意ではなかった(50% vs 42.5%、p=0.776)。
(ケアネット 金沢 浩子)