米国・ロマリンダ大学のCarsten R. Hamann氏らは、美白化粧品549製品に含まれる水銀成分量について分析調査を行った。米国食品医薬品局(FDA)では、化粧品製品の含有水銀量は1ppmと制限しているが、調査の結果、その基準値の千倍超の商品が6.0%あり、水銀を含有していた全製品のうち基準値の1万倍超のものが45%を占めていることなどが判明したという。結果を踏まえて著者は「米国および世界中で、美白化粧品に水銀が含まれていることが確認された」と報告している。Journal of the American Academy of Dermatology誌オンライン版2013年12月9日号の掲載報告。
美白化粧品は世界中で使用されているが、いくつかの製品には“melanotoxin”であることが実証されている水銀が加えられている。しかし水銀は、皮膚や腎臓、また神経学的に多くの問題を引き起こす可能性がある。
研究グループは、製品の水銀含有量を明らかにするため、米国の消費者が、オンラインショッピングまたは店頭で入手可能な製品に注目して、大規模な国際的サンプル評価を行った。
美白化粧品について、低コストのポータブルX線蛍光分光計を用いて、水銀含有量が200ppmを超えるものを選別した。
主な結果は以下のとおり。
・合計549個の美白化粧品について分析調査が行われた。
・それらは32ヵ国で製造されたもので、オンライン購入は米国、台湾、日本で、店頭購入は米国、中国、台湾、タイ、日本、スリランカでされていた。
・549個のうち6.0%(33個)が、1,000ppm超の水銀が含まれていた。
・水銀を含有していた全製品のうち45%が10,000ppm超の水銀を含んでいた。
・米国で購入されている美白化粧品のうち、1,000ppm超の水銀含有製品は3.3%を占めていた。
・本研究は、そのほかのメラニン生成抑制成分を含有するクリームは評価していないこと、調査は各製品1サンプルずつであった点で、結果は限定的であった。
(ケアネット)