手湿疹にクロタネソウはベタメタゾンと同等の効果

提供元:ケアネット

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公開日:2014/01/15

 

 手湿疹のQOL改善や重症度軽減について、ニゲラ(日本では一般にクロタネソウで知られる)はベタメタゾン(商品名:リンデロンほか)と同等の効果を有する可能性が示唆された。イラン・Shahid Beheshti大学のM. Yousefi氏らが無作為化二重盲検比較臨床試験の結果、報告した。クロタネソウは昔から薬として使用され、さまざまな効用が調査されているが、手湿疹についてはまだ研究が進んでいないという。Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology誌2013年12月号の掲載報告。

 研究グループは、手湿疹を有する患者のQOLと重症度について、18~60歳の新規発症者を対象に、クロタネソウとベタメタゾン、ユーセリン(保湿クリーム)とを比較する無作為化二重盲検比較臨床試験を行った。被験者は無作為に3群に割り付けられ、それぞれ1日2回、割り付けられた試験薬を塗布するよう指示され、4週間の追跡を受けた。
 主要アウトカムは、重症度とQOLの変化で、14日目と28日目に、Hand Eczema Severity index(HECSI)とDermatology Life Quality Index(DLQI)を用いて評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・被験者は60例であった。3群(クロタネソウ、ベタメタゾン、ユーセリン)にそれぞれ20例ずつ割り付けられ、1回以上塗布を行ったのは、クロタネソウ群19例、ベタメタゾン群15例、ユーセリン群18例であった。
・クロタネソウ群とベタメタゾン群は、ユーセリン群と比較して、有意に速やかな改善を示した(それぞれp=0.003、p=0.012)。
・クロタネソウ群とベタメタゾン群では、ユーセリン群と比較して、DLQIスコアが有意に減少した(それぞれp<0.0001、p=0.007)。
・クロタネソウ群とベタメタゾン群について、DLQIとHECSIの平均値は、いずれの評価時点においても有意差は検出されなかった(p=0.38、p=0.99)。

(ケアネット)