オランダ・エラスムス大学医療センターのDesiree M.J. Dorleijn氏らは、2年間にわたるコホート研究の結果、気圧と相対湿度が変形性股関節症(股関節OA)の臨床症状と関連していることが示されたと発表した。ただし、そのような気象変数が症状の重症度に寄与している程度は小さく、臨床的に重要とはみなされない、とまとめている。PAIN誌オンライン版2014年1月24日号の掲載報告。
研究グループは、股関節OAのプライマリ・ケア患者222例を対象に、臨床症状と天候との関連を評価する2年間の前向きコホート研究を行った。
気象変数は、気温、風速、総日照時間、降水量、気圧、相対湿度であった。主要評価項目は、股関節痛の重症度と股関節機能障害で、WOMACスコアを用いて3ヵ月ごとに評価した。
主な結果は以下のとおり。
・反復測定の多変量調整線形混合モデル分析の結果、アンケート完了日の平均相対湿度とWOMAC疼痛スコア(推定値:0.1、95%信頼区間[CI]:0.0~0.2、p=0.02)、平均気圧とWOMAC機能スコア(同:0.1、0.0~0.1、p=0.02)との関連が認められた。
・その他の気象変数とWOMAC疼痛スコアまたは機能スコアとの関連はなかった。
・今回の検討の結果は、気圧と相対湿度がOAの臨床症状に影響するという、OA患者の意見を裏付けるものであった。しかし、これら気象変数によるOA症状の重症度への寄与は1%未満であり、臨床的に重要とはみなされないものであった。
(ケアネット)