原因不明の慢性腰痛は姿勢制御の障害が原因か

提供元:ケアネット

印刷ボタン

公開日:2014/04/02

 

 慢性腰痛は成人の12~33%にみられるが、腰痛が慢性化する原因はまだ明らかになっていない。リスク因子として、これまでにも姿勢制御の変化が可能性として示唆されていたが、決定的な研究報告はなかった。ブラジル・サンパウロ大学のRene Rogieri Caffaro氏らは、非特異的慢性腰痛患者を対象に重心動揺測定を行い評価した結果、同患者では足圧中心動揺が増加しており、姿勢制御が障害されていることを明らかにした。とくに不安定な床面での視覚遮断(閉眼)時において顕著であったという。European Spine Journal誌2014年4月号(オンライン版2014年2月26日号)の掲載報告。

 研究グループは、非特異的慢性腰痛の有無による静止立位時姿勢制御の差異を検討することを目的とした。

 対象は、非特異的慢性腰痛を有する患者21例および有していない対照者23例であった。

 フォースプレート(Balance Master、NeuroCom社)を用いてModified Clinical Test of Sensory Interaction and Balance(mCTSIB)を、視覚アナログスケールにより疼痛強度を、SF-36を用いてQOLを、ローランド・モリス障害質問票を用いて機能障害を評価した。

 主な結果は以下のとおり。

・非特異的慢性腰痛群(cLBP)と対照群(CG)とで年齢、体重、身長、BMIに差はなかった。
・cLBP群はCG群と比較し、足圧中心動揺の計測パラメータより、不安定な床面での閉眼時安静立位における姿勢動揺が大きいことが認められた(p<0.05)。
・cLBP群 vs CG群の計測パラメータは、足圧中心動揺は1,432.82(73.27)vs 1,187.77(60.30)、RMS矢状面は1.21(0.06)vs 1.04(0.04)、平均振動速度は12.97(0.84)vs 10.55(0.70)であった。

(ケアネット)