咬爪症は、一般集団の約20~30%に及ぶ慢性的に爪を咬む行動として定義されている。ポーランド・ヴロツワフ大学のPrzemyslaw Pacan氏らは、咬爪症は日常診療において問題がないものとみなされているようだが、QOLの障害との関連がどれほどあるかを調べた。その結果、爪を噛む癖がある人は、そうでない人と比べて、有意に高度なQOLの障害を有していると判明したことを報告した。Acta Dermato Venereologica誌オンライン版2014年2月17日号の掲載報告。
Pacan氏らは、咬爪症のQOLへの影響と、咬爪症を有する人のスティグマのレベルを分析することを目的に、医学生339例について分析した。
主な結果は以下のとおり。
・咬爪症のある人は、対照との比較でQOLの障害が有意に高かった(p<0.001)。
・過去に咬爪症行動を止められなかった人(p<0.01)は、明らかな爪の変形が認められ(p=0.03)、爪を噛むことに費やした時間が多く(p=0.02)、爪疾患を有する割合が高く(p=0.03)、QOLの障害が高かった。
・さらに、爪を噛まないようにする緊張感(β=12.5、p<0.001)、爪を噛むことによる苦痛(β=12.6、p=0.001)、爪を食べる行動(β=-7.5、p<0.01)が、QOLへ影響を及ぼす独立要因として認められた。
・また、スティグマのレベルも、咬爪症のある人の群で有意に高かった(0.6±1.2 vs. 0.2±0.6ポイント、p<0.01)。ただし、咬爪症がない人の群ともにスティグマのレベルは低かった。
(ケアネット)