変形性膝関節症(膝OA)患者を対象とした完全ヒト型抗ヒト神経成長因子(NGF)モノクローナル抗体ファシヌマブ(fasinumab、REGN475、国内未承認)の安全性および有効性を検討した無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験の結果が発表された。米国・リジェネロン・ファーマシューティカルズ社のPaul J. Tiseo氏らによる報告で、ファシヌマブ静脈内投与はプラセボと比較して忍容性は良好であり、歩行時の膝痛を有意に改善することが認められたという。Pain誌2014年7月号(オンライン版2014年3月29日号)の掲載報告。
試験は、中等度~重度の疼痛を有する40~75歳の膝OA患者217例を対象に行われた。
ファシヌマブ0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kgまたはプラセボの4群に1対1対1対1の割合で無作為に割り付け、試験第1日目および8週後(第57日目)に被験薬を静脈内投与した。
主要評価項目は、安全性(24週間における治療下で発現した有害事象の発現率で評価)で、副次的評価項目は歩行時の膝痛(数値的評価スケールを用いて毎日記録)、ならびにWestern Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index(WOMAC)のベースライン時からの変化量とした。
主な結果は以下のとおり。
・24週後の有害事象発現率は、ファシヌマブ群66.1~75.0%、プラセボ群63.6%であった。
・主な有害事象は、関節痛、知覚過敏、筋肉痛、末梢浮腫および関節腫脹であった。
・有害事象のため試験を中止した患者の割合は、ファシヌマブ群5.6%、プラセボ群3.7%であった。
・歩行時膝痛、WOMACの総スコアならびに疼痛、身体機能およびこわばりの各サブスケールスコアはいずれも、ファシヌマブの3群でプラセボ群より有意に改善した(p<0.05)。
(ケアネット)