乾癬患者と骨密度の関連を調査した結果、骨減少症/骨粗鬆症の被験者では、乾癬の罹患期間が有意に長いことが、ローマ・ラ・サピエンツァ大学のSofia D'Epiro氏らによって報告された。本調査の結果を踏まえて筆者らは、「乾癬患者、とくに長期罹患者では、より早期から骨代謝の評価が必要である」とまとめた。The Journal of Dermatology誌オンライン版2014年7月3日掲載報告。
乾癬と骨粗鬆症の発症には、全身性炎症、乾癬治療薬の服用、乾癬性関節炎による関節機能不全といったいくつかの要因が関与していると考えられている。
本研究の目的は、乾癬患者の骨密度を評価し、骨減少/骨粗鬆症の有病率や乾癬病変部位、重症度(PASIスコア)、平均罹患期間、乾癬性関節炎、乾癬治療歴との相関を調査することであった。
主な結果は以下のとおり。
・調査には、乾癬を有している連続患者43例が登録された。うち19例は関節変形を来していた。
・乾癬の重症度はPASIスコア、CASPAR診断基準、乾癬性関節炎の確定診断のための超音波検査、罹患期間の推定により判定した。
・骨密度の測定には、腰椎と大腿骨頸部の二重エネルギーX線吸収法(DEXA法)が実施された。
・骨減少/骨粗鬆症の被験者では、骨密度が成人若年者の平均値と同等の被験者に比べ、有意に乾癬罹患期間が長かった(17年vs. 8.8年、p=0.04)。
・ロジスティック回帰分析の結果、乾癬の平均罹患期間と骨密度の変化には明らかな関連がみられた(p=0.04)。
(ケアネット 森 幸子)