ナッツ類が血糖値にもたらす影響を検討した試験はあるものの、ナッツ消費と糖尿病リスクの関連についてメタ解析は行われていなかった。
そこで、2型糖尿病患者を対象にランダム化比較試験のメタ解析を行ったところ、ナッツ類は糖尿病患者のHbA1cを有意に低下させることが示された。
方法:DM患者が対象の12のランダム化試験を抽出
●対象試験:MEDLINE、EMBASE、CINAHL、コクランより抽出した
12試験(n=450)(2014年4月6日時点まで)
●データ抽出条件:
・ナッツ類
※を基調とした食事(含有中央値:
56g/日)と等カロリーのナッツなしの食事の比較
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糖尿病患者を対象に行われた3週間以上のランダム化比較試験
・HbA1c、空腹時血糖値、空腹時インスリン値、HOMA-IRの評価あり
※ナッツ類:アーモンド、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカダミアナッツ、ピーカン、松の実、ピスタチオ、クルミ
結果:ナッツ食で血糖値低下
● ナッツ類を基調とした食事で下記指標の有意な低下が認められた。
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HbA1c: 平均差 -0.07%(95% CI:-0.10、-0.03%)、p = 0.0003
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空腹時血糖値: 平均差 -0.15 mmol/L(95%CI:-0.27、-0.02 mmol/L)、p = 0.03
※ナッツ食群 vs コントロール群
●空腹時インスリン値、HOMA-IRはナッツ類での好影響が示されたが、
有意差は認められなかった。
考察:長期の検討が求められる
地中海食やDASH食などナッツ類を含む食生活は、2型糖尿病にも好影響をもたらすことが明らかになっている。
著者は今回のメタ解析の結果から、2型糖尿病患者の食事療法にナッツ類を取り入れることを支持している。
ただし、過去実施された試験の多くは短期間かつ限定的であり、今後は、長期の、より質の高い検討が求められる。
(ケアネット 佐藤寿美)