10代での重症にきびと子宮内膜症リスク増大との関連が、米国、ハーバード・メディカル・スクールのJing Xie氏らによる前向きコホート研究の結果、示された。著者は、「10代の重症にきびは、目に見える非侵襲的なクリニカル・インジケーターとして、子宮内膜症の早期発見に役立つと思われる」と結論し、「患者の有益性と早期診断のために、臨床医の注意を今回の所見に向けさせたい」とまとめている。これまで、とくに思春期の重症にきびと子宮内膜症リスクとの関連の可能性については検討されていなかった。Human Reproduction誌オンライン版2014年8月19日号の掲載報告。
研究グループは、1989年9月~2009年6月までの看護師健康調査II(NHS II)コホートから8万8,623例のデータを集めて検討した。回帰モデルを用いて、10代の重症にきびの有無別に、子宮内膜症発生のハザード比(HR)と信頼区間(CI)を算出。多変量モデルを用いて、既知の子宮内膜症リスク因子については補正を行った。
主な結果は以下のとおり。
・追跡総計113万2,272人年において、計4,382例が、腹腔鏡検査で子宮内膜症が確認された。
・10代の重症にきびがなかった女性群に比べて、有していた女性の子宮内膜症リスクは20%増大した(HR:1.20、95%CI:1.08~1.32)。
・同関連は、テトラサイクリンやイソトレチノイン使用に関する補正後も変わらなかった。
・本検討は、以下の点で限定的であった。(1)HRが腹腔鏡検査で確認された子宮内膜症についてのみを含んだため、過小評価されている可能性があった。(2)被験者の地理的背景は多様であるが、NHS IIコホートは大部分がコーカサス地方で占められており、人種的に多様な集団ではなかった。
(ケアネット)