腰椎椎間板全置換術の5年有効・安全性を確認

スイス・ベルン大学のEmin Aghayev氏らは、腰椎椎間板全置換術(TDA)の安全性と有効性を検討するSWISS脊椎登録研究を行った。結果、腰椎TDAの疼痛軽減、鎮痛薬使用の削減およびQOL改善効果が示され、手技も安全であることが示唆されたという。追跡した5年間にわたり有効性は安定しており、5年後も治療した分節のほとんどで可動性が保持されていた。ただし、約半数で骨棘が認められている。European Spine Journal誌2014年10月号(オンライン版2014年6月20日号)の掲載報告。
SWISS脊椎登録は、腰椎TDAに対する償還を決めることを目的にスイス連邦公衆衛生総局が設定した政府医療技術評価(HTA)登録の下、行われた。
2005年3月~2006年6月に248例が登録され、術後5年間追跡を受けた。追跡率は、3~6ヵ月後85.9%、1年後77.0%、2年後44.0%、5年後51.2%であった。
評価項目は、腰痛、下肢痛、鎮痛剤の使用、QOL、術中および術後合併症および再手術率で、5年後には運動分節の可動性、骨化、隣接部および遠隔部の変性についても評価した。
主な結果は以下のとおり。
・術後5年までに、腰痛の軽減(VASスコアが術前73から術後29に減少)、下肢痛の軽減(同術前55から術後22に減少)、その結果としての鎮痛薬使用の減少、およびQOLの改善(EQ-5Dスコアが術前0.30から術後0.76に増加)がみられ、この効果は有意で持続的であった。
・合併症発現率は、術中4.4%、術後早期3.2%であった。
・術後5年間全体の合併症発現率は23.4%で、隣接部分の変性率は10.7%であった。
・再手術率は4.4%であった。
・術後5年間の再手術/再介入なしでの累積生存率は、90.4%であった。
・運動分節(86.8%)の平均可動域は9.7度であった。
・患者の43.9%で、可動域に影響する可能性のある骨棘がみられた。
(ケアネット)
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