腹部触診の追加、腰痛の長期予後改善に有用

オーストラリア・マッコーリー大学のJohn Panagopoulos氏らは、腰痛に対する標準的な理学療法に腹部触診(visceral manipulation)を加えることで腰痛は改善するのか、無作為化プラセボ対照比較試験を行い検討した。その結果、腹部触診の追加は短期的には腰痛を改善しないものの、1年後の評価では臨床的に意義のある改善が認められたという。European Journal of Pain誌オンライン版2014年11月7日号の掲載報告。
検討は、理学療法クリニックで治療を受けている腰痛患者64例で、標準的な理学療法+腹部触診群(32例)および標準的な理学療法+プラセボ腹部触診(32例)に無作為に割り付けて追跡評価を行った。
主要評価項目は、6週後の疼痛強度(数値的評価スケール0~10で測定)とし、副次的評価項目は、2週・52週後の疼痛強度、2週・6週・52週後の機能障害(ローランド・モリス障害質問票で測定)、および2・6・52週後の機能(患者特異的機能スケールで測定)であった。
主な結果は以下のとおり。
・腹部触診の追加は、主要評価項目である6週後の疼痛に影響しなかった(-0.12、95%信頼区間[CI]:-1.45~1.21)。
・2週後の疼痛、2・6・52週後の機能障害および機能については、治療群間で有意差は認められなかった。
・52週後は、理学療法+腹部触診群が、+プラセボ群よりも疼痛が軽減していた(平均1.57、95%CI:0.32~2.82)。
・いずれの治療群も、有害事象は報告されなかった。
(ケアネット)
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