最近、学童・青少年期の子供たちの間にも腰痛が広がってきている。新潟大学 医歯学総合病院 整形外科の佐野 敦樹氏らが行った6年間の出生コホート研究の結果、年齢が上がるにつれ、腰痛の点有病率(有訴率)と生涯有病率(経験率)、ならびに重度腰痛の割合が増加することが明らかとなった。著者らは、BMIが学童・青少年期の腰痛と関連している可能性を指摘している。European Spine Journal誌オンライン版2014年11月20日の掲載報告。
研究グループは、日本人小児について、小学4年生(9歳)時から中学3年生(14歳)時までの6年間、年1回無記名のアンケート用紙を配布して腰痛に関する追跡調査を行った(開始時対象児4,597人)。
腰痛の重症度を3段階に分け、腰痛の程度を評価するとともに、腰痛の有訴率と経験率の推移、ならびに腰痛有訴率とBMIや課外スポーツ活動との関連を検討した。
主な結果は以下のとおり。
・13歳までは学年が上がるにつれ、腰痛有訴率が増加する傾向がみられた。
・腰痛経験率は、学年が上がるにつれ有意に増加した。
・腰痛を経験したことのある生徒では、学年が上がるに従って重症度の高い腰痛(レベル2および3)の割合が増加した。
・すべての学年において、BMIと腰痛有訴率との間に有意な正の相関が認められた(p<0.05)。
・11歳時および14歳時に、課外スポーツ活動と腰痛有訴率との関連が認められた(それぞれp=0.001、p<0.001)。
(ケアネット)