小児ピーナッツアレルギーは中~高所得世帯で多い

提供元:ケアネット

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公開日:2015/01/16

 

 ピーナッツアレルギーは食物アレルギーを有する小児の約4分の1で認められ、より重篤な反応を示すものの耐性を獲得しにくいこと、また、有病率は人種および世帯収入などにより差があることが、米・ノースウェスタン大学のAshley A Dyer氏らにより報告された。ピーナッツアレルギーは最も一般的な食物アレルギーの1つであるが、小児の一般集団における包括的な疫学調査は行われていなかった。Allergy and asthma proceedings誌2015年1月掲載の報告。

 Dyer氏らは、米国の子供がいる世帯の代表的なサンプルを基に、ピーナッツアレルギーの有病率、診断方法、発症時の症状を調査するランダム化横断研究を行った。実施期間は2009年6月から2010年2月。
 3万8,480人の親から得られたデータを基に、人口統計学的特性、食物摂取に関連するアレルギー症状、食物アレルギーの診断方法について分析が行われた。ピーナッツアレルギーのオッズとこれらの特徴との関連性を検討するため、調整モデルを推定した。

 主な結果は下記のとおり。

・食物アレルギーは3,218人の小児で認められ、うち754人がピーナッツアレルギーを報告した。
・ピーナッツアレルギーは、6~10歳の小児(25.5%)、白人の小児(47.7%)、世帯年収が5万~9万9,999ドル(中~高収入世帯)の家の小児(41.7%)で多く報告されていた。
・ピーナッツアレルギーの小児のうち76%は、医師によってピーナッツアレルギーの診断が行われていた。
・ピーナッツアレルギー発症時の症状は、他の食物アレルギーよりも有意に重篤であった(53.7% vs 41.0%、p<0.001)。
・ピーナッツアレルギーで耐性を獲得したと報告された頻度は、他の食物よりも少なかった(オッズ比:0.7、95%信頼区間:0.5~0.9)。

(ケアネット 森 幸子)