喫煙でCKD患者の死亡リスクが大幅に上昇

提供元:ケアネット

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公開日:2015/08/05

 

 慢性腎臓病(CKD)と喫煙が心血管疾患に及ぼす複合的な影響度や性質については、ほとんど知られていない。これらを日本人集団で検討するために、北海道大学の中村 幸志氏らは、8コホート研究に登録された40~89歳の男性1万5,468人および女性1万9,154人のプール分析を行った。その結果、CKDと喫煙が重なると、全死因および心血管疾患による死亡リスクが大幅に上昇する可能性が示唆された。Kidney International誌オンライン版2015年7月22日号に掲載。

 全死因および心血管疾患による死亡リスクは、ベースライン時点におけるCKDの有無(非CKDまたはCKD)と喫煙習慣(非喫煙、元喫煙、現在喫煙)で、6つの性別特異的カテゴリーで比較した。CKDは推定糸球体濾過量が60mL/分/1.73m2未満あるいはdipstickで蛋白尿の場合と定義し、それぞれのカテゴリーで非CKDかつ非喫煙者と比べたハザード比を推定した。

 主な結果は以下のとおり。

・追跡期間(平均14.8年)の間に6,771人が死亡し、そのうち心血管疾患によるものが1,975人であった。
・全死因および心血管疾患による粗死亡率は、男女とも、「CKDかつ現喫煙者」が最も高く、「CKDかつ元喫煙者」が2番目に高かった。
・年齢や他の主要心血管リスク因子について調整後、CKDかつ現喫煙者のハザード比は、全死因死亡では男性2.26(95%信頼区間:1.95~2.63)、女性1.78(同:1.36~2.32)、心血管疾患による死亡では男性2.66(同:2.04~3.47)、女性1.71(同:1.10~2.67)であった。

(ケアネット 金沢 浩子)

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