MTX併用により関節リウマチのTKAは減少するか

提供元:ケアネット

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公開日:2015/11/11

 

 関節リウマチ(RA)が進行して関節破壊が進んだ場合、人工膝関節置換術(TKA)を行うケースが少なくない。そこで、名古屋大学の浅井 秀司氏らは、TNF阻害薬で長期治療中のRA患者における関節破壊の進行に起因するTKA発生に関して、MTXを併用するとどの程度の影響があるのか調査を行った。その結果、MTXを併用することでTKAの発生率を56%抑制することがわかった。The Journal of rheumatology誌オンライン版2015年10月1日号の掲載報告。

 調査は、2001年5月1日から2008年5月31日までに同大学病院でTNF阻害薬治療を受けたRA患者155例(310の膝関節)のうち、関節破壊の徴候のある68例(111の膝関節)を対象とし、5年以上にわたって後ろ向きに行われた。フォローアップ期間の中央値(四分位範囲)は8.1年(7.0~9.3)であった。

 主な結果は以下のとおり。

・MTXを併用していた膝関節は79関節(71%)であった。
・カプランマイヤー推定によると、TKAの累積発生率はMTX非併用群と比較して、MTXを併用した群で有意に低かった(5年時点での発生率:24% vs.45%、p=0.035)。
・Cox比例ハザードモデルを使用した多変量解析によると、MTX併用(ハザード比 0.44、95%CI:0.22~0.89)、Larsenグレード(2.93、95%CI:1.94~4.41)、高年齢(1.04、95%CI:1.01~1.08)はTKAの独立した予測因子であることが明らかとなった。

(ケアネット 有田 衣里)