うつ病患者の予後に影響する生活習慣病 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2016/02/22 肥満、メタボリックシンドローム(Mets)、地中海式ダイエットの低い順守率は、うつ病患者で頻繁にみられ、それぞれが予後と関連している。うつ病のアウトカムに対する、これらの要因の6、12ヵ月の予測力を分析するため、スペイン・バレアレス大学のRachel H B Mitchell氏らは、検討を行った。Journal of child and adolescent psychopharmacology誌オンライン版2016年1月19日号の報告。 273例のうつ病患者から、うつ症状評価のためにベックうつ病評価尺度と14項目の地中海式ダイエット順守スコアを収集した。Metsは、国際糖尿病連合(IDF)の基準に従って診断した。 主な結果は以下のとおり。 ・ベースライン時の地中海式ダイエット順守は、抑うつ症状と逆相関していた(p=0.007)。 ・うつ病への反応は、正常体重の患者(p=0.006)、非Mets患者(p=0.013)で高かったが、地中海式ダイエットの順守率との関連は認められなかった(p=0.625)。 ・Metsである肥満患者は、Metsでない肥満患者よりもうつ症状の改善傾向が低かった。 ・肥満やMets(ベースライン時における地中海式ダイエットの低い順守率を除く)は、12ヵ月時点でのうつ病の不良転帰を予測した。 結果を踏まえ、著者らは「肥満や食事よりむしろMetsが、うつ病の予後に対し負の影響を与える重要な要因であることが、本研究で示唆された。このことから、臨床医は、肥満うつ病患者(とくに治療成果が十分でない場合)におけるMets診断と治療について認識しておく必要がある」とまとめている。 関連医療ニュース 女はビタミンB6、男はビタミンB12でうつリスク低下か MetSリスクの高い抗うつ薬は うつ病から双極性障害へ転換するリスク因子は (鷹野 敦夫) 原著論文はこちら García-Toro M, et al. J Affect Disord. 2016 Jan 19;194:105-108. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] ATTR型心アミロイドーシス、CRISPR-Cas9遺伝子編集療法が有望/NEJM(2024/12/23) 更年期のホルモン補充療法、心血管疾患のリスクは?/BMJ(2024/12/23) 温水洗浄便座を使用する?しない?その理由は/医師1,000人アンケート(2024/12/23) 38種類の抗うつ薬と自殺リスク、小児に対するブラックボックス警告はいまだに有効か(2024/12/23) 帯状疱疹ワクチン、65歳を対象に定期接種化を了承/厚労省(2024/12/23) TN乳がん術前化学療法への周術期アテゾリズマブ上乗せ、EFSを改善せず/SABCS2024(2024/12/23) 増える成人食物アレルギーと新規アレルゲン、「食べたい」に応えるために/日本アレルギー学会(2024/12/23) 「ストレス食い」の悪影響、ココアで軽減の可能性(2024/12/23) [ あわせて読みたい ] 薬剤性QT延長症候群とは(2015/09/30) 全国在宅医療・介護連携研修フォーラム(2015/03/31) ひと・身体をみる認知症医療(2015/03/15) 診療よろず相談TV(2013/10/25) 在宅医療推進のための地域における多職種連携研修会 領域別セッション(2013/11/12)