出生年によって子宮頸がんリスクに大きな差

提供元:ケアネット

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公開日:2017/04/24

 

 わが国では、2013年に厚生労働省が「積極的なHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン接種勧奨の中止」を発表後、接種率が急激に低下した。今回、大阪大学産婦人科が中心となって運営している大阪府下での疫学研究OCEAN STUDY(Osaka Clinical Research for HPV vaccine)グループが、出生年ごとの将来の子宮頸がん発症リスクを評価した。Human vaccines & immunotherapeutics誌オンライン版2017年3月8日号に掲載。

 本研究では、堺市の各年齢におけるワクチン接種率の最新データを調査し、子宮頸がん発症リスクを算出した。算出において、12歳、13歳、14歳、15歳、16歳、17歳、生涯での性交経験率をそれぞれ0%、1%、2%、5%、15%、25%、85%と仮定し、子宮頸がんリスクが生涯におけるHPV感染の相対リスクに比例するとした。また、HPVワクチン導入前の1993年生まれのリスクを1.0000とした。

 主な結果は以下のとおり。

・累積ワクチン接種率は、1994年生まれが65.8%、1995年生まれが72.7%、1996年生まれが72.8%、1997年生まれが75.7%、1998年生まれが75.0%、1999年生まれが66.8%、2000年生まれが4.1%、2001年生まれが1.5%、2002年生まれが0.1%、2003年生まれが0.1%であった。

・1994~99年生まれの子宮頸がん発症の相対リスクは0.56~0.70に低下したが、2000~03年生まれでは0.98~1.0と上昇し、ワクチン導入前のリスクとほぼ同じになった。

(ケアネット 金沢 浩子)