出生時体重は成人発症型糖尿病(DM)の胎児決定因子とみなされているが、BMIとの関連における公衆衛生上の重要性は不明である。今回、国立がん研究センターの片野田 耕太氏らが実施した女性看護師コホートでの研究で、出生時体重およびその在胎期間でのパーセンタイルスコアが成人発症型DMと関連すること、またBMIが正常低値の女性において出生時体重が2,500g未満だった人は成人発症型DMリスクが高いことが示唆された。Journal of epidemiology誌オンライン版2017年6月20日号に掲載。
本研究では、日本ナースヘルス研究(JNHS)コホートにおける2001~07年のベースライン調査として自記式調査を実施した。女性看護師のボランティア参加者4万9,927人のうち、年齢30歳未満もしくは不明、現在妊娠中、30歳以前のDM発症、コア変数が不明な参加者を除外し、30歳以上の2万6,949人のデータを用いた。DM診断歴と出生時体重との関連性についてロジスティック回帰を用いて解析した。
主な結果は以下のとおり。
・年齢、BMI、親のDM既往歴の調整後、出生時体重とDMの間に線形の逆相関が認められた。
・出生時体重100g増加当たりのDM発症のオッズ比は0.93(95%CI:0.90~0.96)であった。
・在胎期間により出生時体重をパーセンタイルスコアに変換しても、関連性は同様であった。
・BMIの層別解析では、BMIが正常低値(18.5~20.9)である女性において、出生時体重2,500g未満群の3,000~3,499g群に対するDMのオッズ比は4.75(95%CI:1.22~18.44)であった。
(ケアネット 金沢 浩子)