オシメルチニブ、FLAURA試験の日本人サブグループ解析/日本肺癌学会 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/10/18 EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)の1次治療において、第3世代EGFR-TKIオシメルチニブ(商品名:タグリッソ)が、第1世代EGFR-TKIによる標準治療と比較し病勢増悪および死亡のリスクを減少させたことが、欧州臨床腫瘍学会(ESMO2017)で発表されたFLAURA試験の初回解析結果から明らかとなっている。同試験の日本人サブグループ解析結果が、2017年10月14日、第58回日本肺癌学会学術集会で国立がん研究センター中央病院の大江裕一郎氏により発表された。 FLAURA試験は、Del19またはL858RのEGFR遺伝子変異を有する未治療の局所進行または転移性NSCLC患者556例を対象に、オシメルチニブと、ゲフィチニブまたはエルロチニブによる標準治療の効果を比較した第III相二重盲検無作為化試験。主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)、安全性などが検討された。 日本人患者120例を対象としたサブグループ解析では、PFS中央値はオシメルチニブ群で19.1ヵ月(95%信頼区間[CI]:12.6~23.5)、標準治療群(日本人は全例ゲフィチニブ)で13.8ヵ月(95%CI:8.3~16.6)であり、ハザード比0.61(95%CI:0.38~0.99、p=0.0456)と全体解析での結果と同様、PFSの延長傾向が認められた。 ORRはオシメルチニブ群が75%、標準治療群が76%(オッズ比:0.98)であった。DOR中央値はオシメルチニブ群18.4ヵ月、標準治療群9.5ヵ月と、オシメルチニブ群で約2倍近く延長している。また、オシメルチニブ群2例で完全奏効(CR)がみられている。OSについては、イベント発現割合がオシメルチニブ群で14%、標準治療群で18%とまだ十分なイベントが発現しておらず、今後の解析が待たれる。 主なグレード 3 以上の有害事象の発現率は、オシメルチニブ群が28%、標準治療群が49%とオシメルチニブ群で低かったが、間質性肺疾患(オシメルチニブ群で12%)およびQT延長(オシメルチニブ群で22%)については、オシメルチニブ群で多く発現している。また全体での結果と比較すると、日本人サブグループで両群の毒性が強い傾向がみられた。 ■参考 FLAURA試験(Clinical Trials.gov) ■関連記事 HR0.46、オシメルチニブが1次治療で標準治療を上回る(FLAURA)/ESMO2017 オシメルチニブ、肺がんFLAURA試験の主要評価項目を達成 (ケアネット 遊佐 なつみ) 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 新PCIデバイスbioadaptor、アウトカム改善の可能性/Lancet(2024/11/13) 市中肺炎の入院患者、経口抗菌薬単独での有効性(2024/11/13) 本邦初、がん患者の「気持ちのつらさ」のガイドライン/日本肺癌学会(2024/11/13) 乾癬への生物学的製剤、真菌感染症のリスクは?(2024/11/13) MCIの認知機能改善に、最適な運動とその量は?~ネットワークメタ解析(2024/11/13) 尿路上皮がん1次治療の更新は30年ぶり、ペムブロリズマブ+EV併用療法とは/MSD(2024/11/13) 米国成人の10人に6人は炎症誘発性の食生活(2024/11/13) 急性白血病の発症時点でさまざまな眼科所見が観察される(2024/11/13) [ あわせて読みたい ] トレンド・トーク『肺がん』(2024/06/11) 災害対策まとめページ(2024/02/05) Dr.大塚の人生相談(2024/02/26) IBD(炎症性腸疾患)特集(2023/09/01) 旬をグルメしながらCVIT誌のインパクトファクター獲得を祝福する【Dr.中川の「論文・見聞・いい気分」】第63回(2023/08/29) エキスパートが教える痛み診療のコツ(2018/10/11) 医療者向け『学校がん教育.com』(2022/12/01) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17)