化学療法制吐薬としてのオランザピンの本邦第II相試験/IJCO 提供元:ケアネット ツイート 公開日:2017/11/21 近年、がん化学療法に対する制吐薬としてのオランザピンの研究結果が報告されている。本邦においても、高度催吐性化学療法に対する、オランザピンの多施設無作為化二重盲検第II相用量設定試験が行われ、国立がん研究センター中央病院の矢内 貴子氏らがInternational Journal of Clinical Oncology誌に結果を報告した。 対象は、固形がんでシスプラチン50mg/m2以上の高度催吐性化学療法を受けている患者。登録患者は、無作為に標準的制吐療法(アプレピタント、パロノセトロン、デキサメタゾン)+オランザピン5mg/日、または標準的制吐療法+オランザピン10mg/日(両群ともオランザピンは1日目~4日目投与)に、無作為に割り付けられた。主要評価項目は遅発性嘔吐(シスプラチン投与後20~12時間)に対する完全奏効(嘔気なしか救済治療なし)率。 主な結果は以下のとおり。 ・153例の患者が5mg(n=77)と10mg(n=76)に無作為に割り付けられた。 ・遅発相における完全奏効率は、オランザピン10mg群では77.6%(80%CI:70.3~83.8、p=0.01)、5mg群では85.7%(80%CI:79.2~90.7、p<0.01)であった。 ・頻度の高い有害事象は眠気で、10mg群では53.3%、5mg群では45.5%の発現率であった。 オランザピン10mg、5mg群とも遅発性嘔吐に対して有意な改善を示したが、完全奏効率と眠気の少なさからオランザピン5mgが第III相以降の推奨用量となった。 ■関連記事 高度催吐性化療の制吐薬としてオランザピン/NEJM (ケアネット 細田 雅之) 原著論文はこちら Yanai T,et al. Int J Clin Oncol. 2017 Oct 16. [Epub ahead of print] 掲載内容はケアネットの見解を述べるものではございません。(すべての写真・図表等の無断転載を禁じます。) 関連記事 ドンペリドン、胎児の奇形リスクなし/国内大規模データベース 医療一般 日本発エビデンス(2021/03/18) このページを印刷する ツイート [ 最新ニュース ] 小児がん、定期的な症状スクリーニングで苦痛な症状が改善/JAMA(2024/11/21) 米国民の幸福度、国内格差を人間開発指数で解析/Lancet(2024/11/21) エンパグリフロジン投与終了後もCKDの心・腎保護効果が持続、レガシー効果か?(解説:栗山哲氏)(2024/11/21) 心臓MRIによるLGEはLVEFより拡張型心筋症のリスクをより良く予測する(解説:佐田政隆氏)(2024/11/21) 肺動脈性肺高血圧症治療剤ユバンシ配合錠が発売/ヤンセン(2024/11/21) TN乳がんへのサシツズマブ ゴビテカン、販売開始/ギリアド(2024/11/21) ROS1陽性NSCLCへの新たな選択肢レポトレクチニブ、その特徴は?/BMS(2024/11/21) 低リスク肺塞栓症がん患者のVTE再発、リバーロキサバン18ヵ月vs. 6ヵ月(ONCO PE)/AHA2024(2024/11/21) 大腸がん検診、現時点では血液検査よりも大腸内視鏡検査が優れる(2024/11/21) うつ病に対するブレクスピプラゾール補助療法、安定後は継続または中止?(2024/11/21) [ あわせて読みたい ] アトピー性皮膚炎・乾癬特集まとめインデックス(2022/11/11) 診療所売買に関心がある方に!マンガ連載をまとめた冊子プレゼント【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第43回(2022/10/17) 今考える肺がん治療(2022/08/24) あなたにとって、開業の「成功」「失敗」とは?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第42回(2022/08/09) 「後継者採用」という甘い誘いに乗ったら…【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第41回(2022/07/08) 「診療所、知人に売るから大丈夫」、それ本当に大丈夫??【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第40回(2022/06/06) Dr.金井のCTクイズ 初級編(2022/05/17) 診療所の売れ行きに直結する「概要書」の大切さ【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第39回(2022/05/09) 医療マンガ大賞2021「たった一時間されど一時間」受賞者描き下ろし作品(ささき かずよ氏)(2022/04/18) 「急ぎ」のお宝承継をゲットできる医師は…?【ひつじ・ヤギ先生と学ぶ 医業承継キソの基礎 】第38回(2022/04/11)